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 ←☆短編妄想劇☆番外編『背伸び・・して測る恋』(コロ&パン・ダウンの、お話)2(再会~変な縁) →寒中お見舞い申し上げます☆
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☆番外編の番外編~コロのお話

☆短編妄想劇☆番外編『背伸び・・して測る恋』(コロ&パン・ダウンの、お話)3(ありえない再会)

 ←☆短編妄想劇☆番外編『背伸び・・して測る恋』(コロ&パン・ダウンの、お話)2(再会~変な縁) →寒中お見舞い申し上げます☆
「・・・・・・・。」

  「・・・・・・・・。」

手入れの行き届いた、広い庭・・
  優しく緑を出し始めた、庭先の木々・・

季節は廻り・・・

漢陽でも長い冬が明け、ようやく春が見えかかっていた。

その、庭に面したこの一つの部屋で・・・

今、
 ちょうど、自室へと食事を運ばせて匙を持ったままの恰好で止まったジェシンが・・
 
上から見下ろした格好でそんなジェシンを見る、この屋敷の主・・
つまり、彼の親父様を・・

   呆気にとられた顔で、見ていた・・。

匙を持ったままの恰好のジェシンの手には、
  今、匙がなかった・・。

なぜなら、
  彼の膝の上に、ちょうどいくらかの米粒と一緒に、手にあるはずの匙が落ちているからだ。
~~
大科を無事、四人揃って合格したソンジュン、ユンシク、ヨンハに、ジェシン・・。

この朝鮮を治める王の下で働く閣僚にとって、
  今後、何よりも重要な要素となる大科試験ですら、
   壮元(首位)という尋常でない成績を収めたソンジュンを筆頭に、

ユンシクも・・

それに付き合わされた形だったはずの、ヨンハも、

   ジェシンも・・

自身の思っていた以上に、
         結果はよかった。

つい最近行われた仁政殿(インジョンジョン)での放榜礼(パンバンネ)では、
  合格者三十三名が、
    それぞれ、甲科三名、乙科七名・・それから丙科二十三名の等級に振り分けられた。

なんと、合格するなら丙科でも構わないと考えていただけのジェシンにとっては、
  最初に発表されたこの中に名前がなかったのは、驚きであり、
       意外でしかなかった・・。

次に発表された乙科で、五番目にキム・ユンシク、二番目に、ク・ヨンハの名が出た時は・・
  もしや俺は忘れられたのかとすら、思ったくらいだ。

同じく、その場にいた大司憲である父・ムン・グンスも、
     甲科への期待がなかったと言えば嘘になるものの、
      その心の大半が、まさか息子は誤ってこの場に呼ばれたのかと、冷や汗すら、かいていた・・。
(…信用のない息子・・ジェシン・・)

ちょうどグンスがその手に、
 今朝妻に持たせてもらった、刺繍の入った手巾を取りだした時・・・

「甲科!探花、ムン・ジェシン!」

息子の名が、その場に響いた・・・。        (このシーンはほぼ、小説の通りですね♪)

一瞬・・グンスの頭に、妻の腕に抱かれたまま、
    声の限り、手足を震わせながら泣く赤ん坊が浮かび・・

がはははは!!

このように大きく泣く赤子も見たことがないと満足げに笑いながら、    
         その赤ん坊に、『ムン・ジェシン』この名を付けた、自身の姿を見た・・。

遠くに立つ息子の姿に、グンスの目に、じんわり熱が浮かんだことなど、
    自分ですら気づいてもいなかったが・・・

周りの噛み殺した笑い声に、慌てて我に返ると・・

 「・・・・・」

よくよく、目の前の息子へと目を向けた。

探花・・とは、甲科三位の別称であり、
  王のそばで祝賀の花を合格者に飾る役である・・。

王のおわします玉座の下に立ち、壮元から順に、呼ばれる者たちに
   花を挿していくという、なんとも涙の出るほど、光栄な、役目が待っている・・。

誰に似たのか態度が粗暴で
 やることなすこと乱雑な息子・ムン・ジェシン。

ムン・グンスは、息子が玉座の下に来るなり次々と手渡される花に、 
    折りやしないかという不安と、
      王すら、隠すようにその口元を緩めている様子に・・   

自身のことよりも恥ずかしさで顔が熱くなり、
  名誉な役を賜った息子を、以降式が終わるまで、直視できなかった・・。

が、
 一つだけ、確信できたことがあった!

それは、
  これが終わるなり、息子の嫁さがしができるということだ。

式が終わるなり、集まっている四人に向かって歩き、
   その頭を・・何もいうことなく、拳で小突いた大司憲・・。

隣にいたソンジュンを一瞬だけ、目で捉えると・・
  すっとその目を逸らしたまま・・独り言のように、言った。

「親父のやつには息子を奪われたが、その息子からは息子を一人返してもらったな。」
そう言うなり、
  立ち去ったムン・グンス・・。

ーそう。
 『息子』が、返ってきた。

去っていくグンスの目は、
    輝いていた。

ー今迄は、いくら大司憲家の息子だとはいえ、
  暴れ馬と異名をとってしまった変わり者の息子に、来てくれる嫁はなかった。

だが、これからは違う。

例え暴れ馬と呼ばれていようが、           (父、公認・・なんなら父も・・)  
 両班らしくなく、ボロをまとっていようが・・    (父、諦めの境地・・)

 両班の命でもある、網巾(マンゴン:髪との境を隠した黒い巾)髷(サントゥ;ちょんまげ)
        を下ろしていようが・・       
   (恐らく今までに計り知れぬ父との衝突もあったことだろう)
関係ない!                     (関係なくはないし!(´ ▽`).。o♪♪ )

あの大科で、甲科の探花をとった息子ぞ!!
 七品という品階が正式に、今目の前で王により渡されたのだ!!!!!
(韓国はそれぞれ役職に官位が与えられています。大司憲はちなみに従二品、
 ソンジュン父の左議政は、従一品になります。(品階的にはグンスより2品上))

これで、ようやく、あの問題ばかりを起こしてきたジェシンが、
      本来のお役目である嫁を得て、跡取りを作れるのだ。


「ふふ・・
   ぐふふふ・・ふふ・・・」
俯いた大司憲から、妙な音が聞こえ・・
    周りの役人が、目を合わせた・・。
グンスの不適な笑みとともに、
   皆と笑いあうジェシンの背がぞくぞく震え・・
~~
「おぉうっ!!」
自分で驚いて声が出たジェシン。

「どうしました?」
  「どうしたんですか?」
「どうした?」
尋ねてくる三人を見たジェシンが・・
   去っていく大司憲が一瞬、笑みを向けた気がして・・
一瞬凍りつくように、寒けを感じた・・。

~~
長かった成均館生活も終わり、
  ちょうど、与えた役職の王命が正式に言い渡される前のこと・・。

それまでの勉強漬けが嘘のように、
   ジェシンにとっては自由な日々が訪れていた・・。

とはいえ、
  好きでもない自宅にいるのは大した面白みもなかったが、

あの放榜礼(パンバンネ)が終わってすぐ、
   待っていたかのようにソンジュンと、キム・ユンシクの親戚とする、ユニ・・が、結婚した。
(このお話はまた別の物語で(*/∇\*) キャ )

もちろん参加したジェシン。
その、着飾った幸せそうに笑うユニの、あまりの美しさに一瞬、思考が麻痺したのは本当だが・・
   不思議と、胸が詰まるような痛みのないことに、自身でほっとした。

左議政お墨付きの嫁ではないか。    (ドラマでは、左議政から認められてますからね♪)

世間では、あの老論(ノロン)の総称ともされる、左議政家がなぜ
   王の思惑を組んだような、南人(ナミン)の貧しい娘など・・と噂をしたが・・

(小説を読んでいない方、ドラマを見ていない方のために解説しますと・・・
 朝鮮王朝時代は、どの時代も、身分制度の上、
  両班は、どこかの党派に、別れていました。

 で、この19世紀、正祖王の父は、祖父王である英祖によって米櫃に閉じ込められ、殺されているんですが、

(それを悔いた文章を探すというのが、前回出てきた金縢之詩(クムドゥンジサ)でしたね★
 ま、金縢之詩(クムドゥンジサ)の内容は、本当の歴史ではないですが。)

 その、殺すために一役買ったのが、老論(ノロン)派。ソンジュンの家の、党派です。
 これにより、勢力をつけた老論に対し、
  反対し、まだ踏ん張っている党派が、少論(ソロン:ジェシンの家の党派)

 もう一つ、今や弱小になってしまい、この正祖王になって初めて
   官職にも出してもらえる機会が戻ったという、ひ弱な党派が、南人(ナミン:ユンシクの家の党派)だった のです。

 正祖王とは、歴史上でも名高い、イ・サン。
 王は、老論だけの勢力をとどめるため、たくさんの政策を試みます。

 その際、一番頑張っていたのが、『蕩平策(タンピョンチェク)』
  どの党からも平等に役職につける。という政策でした。
 つまり、ユニとソンジュンの政策は、王の願いを叶えるかのような、
 異党間の結婚(今まではありえない)ものだったんです。
 とはいえ、ユニの家があまりに貧しいのは、ユニの父と母も、
  南人と老論との、異党間の駆け落ち婚だったから・・なんですがね)

左議政家とはそんな噂によって揺れるような家ではない。
   誰にも何も言えない圧力を示しながら、沈黙を通した。

そんな中、
   幸せそうに女らしく笑ったユニは、ソンジュンの屋敷へと入った。
~~
それ以降、
 ジェシンの屋敷にはたびたびヨンハが来るくらいで、
  そのヨンハも、毎日など来るはずもなく、いつもは女に明け暮れる日々・・。

ジェシンは、好きなだけ寝て、好きな時間に食べ、思った時に本を読み、
紅壁書(ホンビョクソ)としては・・・
    たまに、書き殴った紙を、ひっそりと隠すように部屋の隠し扉へと投げ込むだけで留めていた・・。
~~

話は戻るが・・・
 そんなジェシンが、この日もちょうど遅れた朝食を自室に運ばせ、食べていたところ、
   突然、この屋敷の主である、父、ムン・グンスと、数人の家人がその部屋へと押し入って来た。

そして、入るなり、言ったのだ。

「今日がおまえの婚礼だ!」

と。

「・・・・・。」
何を言われたのかがわからず・・
  呆然と見上げただけのジェシンの手から・・匙が落ちた・・。

ジェシンの後ろには、
  二人の家人が、暴れるのを覚悟して、冷や汗をかきながら、待機させられている・・。

父の後ろの扉の先には、
   四人ほどの家人が、逃げ出すことを想定して、構えているのが見えた・・。

それで父が何を本気で言ったのかを、ようやく理解できたジェシン。

「四の五の言わず、花嫁の家に行け。
   もし逃げたら・・・・お前のせいで、花嫁が命を絶つ。」

ー・・・・。
 これが結婚させようとする親の言う言葉か?
   ただの脅迫以外の何物でも、ない。

・・・は。

ジェシンが呆れたように顔を伏せてから、
  父親を見上げると・・

父親もまた、一歩も引かず・・
   息子に負けじと、仁王立ちにした脚をさらに、広げて立った。

~~
同じころ・・・

  春の到来を告げる木々の優しい緑や、
    ちらほらと咲きはじめようとするつぼみを作った木々が、
      質素な一つの屋敷の庭先を、ほのかに明るくし始めていた。

が、
 その庭先に響くのは、
   そんな木々を愛でる声でもなければ、鳥のさえずり・・でもなかった・・。

「あぁ~~~~~!!!!
   私の可愛い娘!!!!!!

 可愛いダウンがーーーーーー!!!!!!」
ただひたすら涙に暮れる、一人の女性・・。

決して装いは高価なものではなかったが、
  その姿は、上品で、どこか、育ちの良さを残していた・・・。

今は涙に濡れ、普段は上げることのない声を上げ、 
      上品どころの騒ぎではないとはいえ・・。

その夫人の前には、涙は見せぬものの、
  そんな夫人の前、手に力を入れ、居たたまれない表情をした、この屋敷の主人・・がいた。

~~
可愛い娘。
 ようやくこの屋敷に産まれてくれた、愛しくて何物にも代えがたい、娘だった。

世間で言われるように、生まれた子供が息子であったならよかったのにとは、
  この主人は一度も思ったことはなかった。

それは勢力争いに疲れたこともあったが・・
  愛娘が、すくすく、木々に咲く花のように、可愛らしく育ち、
    静かだった屋敷の中、いつもきゃっきゃと声を立てて笑ってくれていたからであった。

娘は、容姿は両親共に容姿の整った美男美女という割には、
 「美しい」というよりも、顔だちのはっきりした、「可愛らしい」女の子であった。

大きくなっても小さなころから変わることなく、
      誰にでも人懐こく、笑顔の絶やさない娘で、この家の下人たちの自慢でもあった。

顔もしぐさもそうであるが、
  その姿は、もっと、「可愛らし」かった。

年にして、年頃の十四を過ぎたというのに背もまだ小さく、
  背も小さければ楽しみや嬉しさにどきどきとすぐ跳ねる胸も、まだ小さく、目立たぬほどであった・・。

けれども娘は、そんなことを知る由もないし、
  娘をまだ手放すことなど毛頭考えていなかった母もまた、
     そんなことを口に出したことさえ、なかった。

結婚とは、奥の管轄である。
  本来なら嫁がそれぞれに見合う相手を見つけてくるものだが・・・

ここは・・・
~~

「あぁぁーーーーーーーー!!!!!!」
泣き崩れる夫人に対して、
   自身もつらいのをひた隠した夫が、無情にも、声を荒げた。

「何を泣くことがある!!!
  めでたい婚姻話ではないか!

  我が少論(ソロン)の重鎮でもあられる、大司憲宅に嫁ぐのだぞ!!!!!」
~~
珍しく屋敷に響く母の鳴き声に、
  部屋に入るのを許されていない娘が・・その部屋の外で、耳をそばだてていた・・。

多くは決してない侍女が、そんな娘を止めたが、

そんな侍女を目で諌めると、
し!!!
 愛らしい細い指先を唇に当てて、盗み聞きを続けようとする娘。

おろおろと止める侍女をよそに、
   壁に耳を引っ付けて、話を、聞いた・・。

~~
娘はあれ以来、
   屋敷の外には出ていなかった。

あの外出がばれた後、
 娘は、今まで外出する度脚をぶたれるだけで済んでいたものが・・
   あの時は、真っ暗な蔵に半日以上、閉じ込められてしまった。

泣いて泣いて、ようやく出してもらえた娘・・

狭くて暗い蔵が怖くって、もうしないからと散々言ったにもかかわらず、
    懲りたろうと考える父の思いとは裏腹に、
      実は、娘はすぐに、外の世界が恋しくなっていた。

また蔵に入れられるのは嫌だ、怖い・・という気持ちが出る度、
 外に出た後の、連れ去られた時の恐怖も、よみがえった。
だが、その気持ちは同時に、暗闇に手を差し伸べてくれる、あの『ホン・ギルドン』様の姿も
  頭に甦らせてくれ、
   すると、どきんっと、胸が飛び上がって、
       考えるだけで、ほわんと、胸があったかくなった。

そのうち、だんだん本当に会ってみたくなってきた。

だから、できることならすぐにでも外に出たかったのだが、
 その反面、考えてみれば出歩いてどこにいるかも分からない相手を探すよりも、

いつかのように、
  この屋敷にやってくるかもしれないという気持ちも浮かび・・

それで、
  ずっと、出るかここで待つか・・で、
    迷ううちに、日だけが過ぎてしまっていたのだった・・。

(全く反省してなーーーーい(笑))

けれども、そんなことなど知らない父は、
  娘が最近は静かに屋敷にいるようになったと聞き、胸を撫で下ろしていた。

目に入れても痛くない愛娘だ。
泣き叫ぶ娘を蔵に閉じ込めた父の胸も痛かった。
父の気持ちを分かってくれたのかと、厳重に監視させていた警戒も解くほど、
       すっかり安心しきっていた。

両班の屋敷の娘としての法度、として、屋敷の外にむやみに出るなと言っているわけではない。

可愛くてかわいくて、
 何にも代えられない娘だからこそ、万が一にも暴漢にでも襲われたらと思うと、
   娘が外出したと聞いた日には、
    何日も眠れない夜を過ごさなければらならなかった程に心配だからこそ、外出する娘を叱るのだ。
~~
そんな父だ。

そんなにも愛しい娘を、その『暴漢』そのものと言われるような男・・
しかも、婚礼が遅れ、今や二十四にもなった男・・の元へと嫁がせることになったのだ・・。

その心の痛みは、
  たとえ声を上げて嘆く妻にも測り知ることはできないだろう・・。

父は、ぐっと熱くなりそうになる目を堪えて、言った。

「いいな!
  めでたいことなのだ!

今から一切ダウンの前で涙など見せてみろ・・・
   お前を屋敷から、追い出してやる!!!!

 分かったら今夜来られる婿を迎える用意でもしておけ!!!!」
そう言うなり、勢いよく扉を開けた父。
ザッー
廊下から出ると、
 そのまま、廊下を去って行った。

あれ?

  覗いていた・・娘・・・?

娘・・・は・・・・
~~
「はぁ・・

   はぁ・・・」

頭に被った被衣(スゲチマ)をそっと肩先まで落とした娘。

その娘が向かったのは・・
  「すみません・・。
     この辺に大司憲様のお屋敷は・・・」
そう、あちこちの人に聞いて回ってようやく・・・

ででんっ!!!!!!!

家の何倍もある、大きな門に、
    その周りを囲む、瓦塀・・

小さな娘が見上げると、
  その門は、何倍にも、大きく見えた。

「わ・・わわっ!!!!!!」
その門を見るなり、娘の胸は、どきんっ!!!
          と、大きく鳴った・・。

ー私・・こんなにも大きなお屋敷にお嫁に来るの??

自分の家とのあまりの違いに・・・
   呆然と見ていると・・・

ぎろりと睨んだ門番に・・

「御嬢さん・・・
     何か用ですかい?」

と、低く、どすの利いた声で、尋ねられた。

「っひ!!!!」
大きな門の前の、体も大きい門番の何気ないその声、その目は、
  悪気はなくとも、屋敷以外を知らない娘にとってはとても威圧的に見えた。

途端に怖くなり、
   その場から逃げたダウン・・

だが・・・

きゅっと小さな脚を止めると・・
  門番から見えないところで、しゃがみこんで、門の中から出入りする、人たちを見つめた。

ーあの中に・・
    きっといるのよね?

きゅっと、胸の前で手を組みながら、
   祈るようにして見つめたダウン・・。

どきどきと速まる胸は止められなかったが・・

ふと・・
 今まで、大司憲の屋敷しか目に入っていなかったのが、
   離れたところから、道行く人々、その周りに建ち並ぶ街並みまでがその目に入った時・・

あの、『ホン・ギルドン』を思い出して・・
      目は、いつの間にやらその姿を探していた・・。

ーきっとお偉い方のお屋敷ばかりの街なんだから、
   この近くにも現れるわ・・。  (・・だから盗みはしないって言ってましたけどね^^;)

何気なく、そう思っただけだった。

何気なく、そう思っただけだったのに・・・

じわりと、
   ダウンの目に、涙が浮かんだ・・。

ー私・・この屋敷の人と結婚しちゃうんだ・・。

不思議な感じだった。
   どんな人かも分からず、
     どんな風に話すのかも、知らない。

なのに、今日からはその方を旦那様として、
  好きにならなければならないなんて・・。

不思議だが、胸が痛くなった。

いつかは、そんな日が来ると知っていたはずなのに、
  胸が、痛くなった。

でも、泣き崩れていた母の姿に、怒った父の声を思い出すと、
  きゅっと涙を拭いたダウン・・

ーだめだ。
  今は旦那様になる方を探してるんだから・・。

そう、思い直すと、
  『ホン・ギルドン』様を探す目を戻し、
   また、門に出入りする人々の中から、それっぽい男性の姿を探した。
~~
そんな感じで・・
  どれくらい経った頃だろう・・・。

しゃがんだままだったダウンの足も、
        ぴりぴりと痛くなってきた。

それに、幼い両班の娘が一人で長時間ここに座っていることも、
 当に、ダウンが気づいていないだけで、
            周りからは注目を浴びていた・・。

ひた・・ひた・・ひた・・

後ろから、足音が聞こえ・・・

   ぴた。

ちょうど、その音は、ダウンの後ろで、止まった。

が、全くそれには気づかずに、
  痛む足をとんとん・・と叩きながら、屋敷の門を見つめたままの、ダウン・・
~~
あはははは!  

ジェシンの屋敷に向かって歩く、両班の二人の姿・・。
ご機嫌に笑いながら、ヨンハがジェシンの肩を抱くと・・

ジェシンが笑ってはいるものの、心底嫌そうに、その手を払った。

ジェシンは珍しく、頭に笠(カッ)を被り、
   深緑の外衣を羽織り、『両班』らしい恰好をしている。

ヨンハの手を払ったところで・・
  ヨンハの目が、ジェシンの屋敷の塀沿いにうずくまって門を見ている・・小さな娘へと注がれ・・・

面白いモノでも見つけたように、
   ジェシンにささやいた・・。

「おい・・あれ・・

   なんだ?」

その声に・・

「・・あん?」

その目を上げたジェシン・・

「・・・・・。」

ジェシンが・・
   唇を尖らせると・・
 その娘の見つめる方向へと、細めた目を、向けた。

じっと、目を細めてその娘の後ろ姿を見たジェシン・・・。

それから・・何を思ったか一人、先に歩き出すと・・・

「あ・・おい・・
   知ってる娘か?」
そう追いかけてきたヨンハを無視し、ヨンハの前を手でふさいだ後、
  ゆっくりと屈み、その娘の隣へと、しゃがみこんだ。

「・・・・・。」
ぼぉっとしたような、細めたジェシンの目は、
 真横になった娘を見た後、
    娘と同じ視線になって、自身の屋敷の方をみた。

ヨンハもまた、
  その後ろで、二人のまねをするように、しゃがんでみてみた・・。

「・・・・何・・してんだ?・・お前・・・」
目を細めつつ、
  そっとダウンの耳元へと囁くように聞いたジェシン。

だが・・
  それでもまだ前だけを見ているダウン。

「このお屋敷の・・お坊ちゃまって・・
    見たことある??」
その声に向かって、
   聞いてみた。

聞いてみたところで・・
  はたと、誰かに話しかけられたのだということに気づき・・

ようやくその声の方向へと振り向いたダウン・・・

きょ・・とん・・
  目が、ぱちくりと、見開かれた・・。

二人の・・男がいる・・。

大きな目をぱっちりと見開き、
  急にあの時の恐怖がよみがえったことで・・顔色が変わったダウン。

そんな様子にいち早く気づいたジェシンが
「おい。
  馬鹿!!怯えた顔すんな。

 こんなとこで変な声なんか出すなよ?俺だ!!」
叫びそうな娘の口を、大きな手で塞いだ。

「っ!!!
  !!!!!

 ・・・・?」

その声に・・
  体中に入っていた力が抜けたかと思うと、
    じっと、横の男の、その目を見たダウン。

「ほむ・・ぎうどふふぁあ(ホン・ギルドンさま)??」
押さえた手の奥で、
  娘がそう、驚いた目をして言った。

ん?

  んん???
二人の様子に、
 不思議そうに二人を見ていたヨンハが、
       口の端を思い切り上にあげると、
 にやにっやと楽しげに笑って聞いた。

「娘。
  この屋敷のお坊ちゃまに会いに来たのか?」
ばっと、娘の口を押さえたジェシンの手をどけると、
                優しく、聞いたヨンハ。

ジェシンが、ヨンハに力強く掴まれた腕を乱暴に振り払った。
こういう自分の楽しみの為のヨンハは、
  どこに隠し持っていたんだというくらいジェシンにも負けない力を発揮する。

「っ!!」
ジェシンが、そんなヨンハを鋭く睨んだが、

こくこく!!!!
まるで救世主にでも出会ったように目を輝かせ、
 大きくうなずいた娘に笑ったヨンハ。

「っ!??」
ジェシンが、目をぱちくりとさせて、娘を見た。
まさに、鳩が豆鉄砲を食ったよう な、顔だ。

ーコロにこんな顔をさせる機会がそうそうあろうか?
  いや、ない。

「くくくっ!

   そんなら・・・」

ヨンハが目を輝かせてそう、言いかけた時・・・
   ヨンハの首に、大蛇のように太い腕が、巻きついて口をふさいだ・・。

「むぐぐぐぐ!!!!!!」
とたんにヨンハの口は出口をなくし、
     苦しそうな顔をした・・。

「この娘は、俺が紅壁書の時に会った娘だ!!
  紅壁書とも知らんような娘だから誰にも話してはいないだろうが、
   正体がばれるわけにはいかんだろ!!!」
苦しそうにあえぐ耳元に、
  ジェシンが声を潜めて、囁いた・・。

「・・・・・っ!!!!」

それでも、さすがヨンハ。
息もできないような演技はやめず、苦しそうにもがいていた。

  ・・・演技・・ではなく、本当に苦しかったのだが、
    どうやら娘にはそれがウケたようだ・・。

いきなりけたけたと笑うと、
  門を見ることなど、すっかり忘れ、
   急に現れた二人の様子に、きゃらきゃらっ!と、
      声を立てて笑った。

「・・・・・。」
  「・・・・・。」
ジェシンはその無邪気すぎる笑顔にぱちくりと呆気にとられ、
  ヨンハは、ますます面白そうに、その少女の方を見た。

はぁ・・・

そんな娘に、
  呆れたような目を向け、ため息をついたジェシン・・

「なんで知りたい?」
何か探るように、そう・・聞いたが・・・

「な・・なんで・・・て・・・」
その質問にいきなり虚を突かれ、目を泳がせた娘は、
  とっさに、嘘を、口から出してしまった・・。

「お・・ねぇちゃんが・・・」

つい、そう・・
  話し始めた娘・・

時は、すでに日が暮れる時間になっていた・・。

ジェシンは父の言いつけ通り、
  今日の夜、娘の待つ屋敷へと向かうことになっている。

どんな娘かと今日覗きに行ってみたが、屋敷の庭にも出ては来ず・・
  今、ヨンハと、よほどもの静かなできた令嬢に違いないと、
       ヨンハが茶化しながら帰ってきた、ところだった。

その娘が、そう、話し始めた時・・

初めて、
  ジェシンの目が、広がった。

ーそうだ!!!
   どこかで見たことがあるあると思っていたら・・・

 あの屋敷はこいつの家じゃないかっ!!!!!!!
(というか、見たことあるって(笑)3回目だからね(笑))

見開いた瞬間、
  娘の言った言葉が、胸に残った・・。

「お・・ねぇちゃんが・・
    見てきてほしいって言ったから・・・」

ー・・・おねえちゃん?

その言葉に・・
  ヨンハと、ジェシンが目を合わせた。

ーその、『おねえちゃん』こそ、
    ジェシンの嫁だ!!!!!!

途端に、ヨンハがこほんっ!
   と、立ち上がると・・・

ジェシンに目配せをして、
       それから言った。

「俺はちょっと用事を思い出したから・・
              先に帰るよ♪」

ひらりと手を挙げるなり、
    去っていくヨンハ。

「あっ!!!

   おいっ!!!!待て!!!!!!」

行動が読めるだけに、
  ジェシンが牙をむいたように、ヨンハの肩を摑んだ。

「まっすぐ、家へ帰るんだぞ?

   まっすぐにな!!!!!!!」

ぎりりと肩をつかみながら、
  脅迫のように、細めて笑う目には、
    迫力が、ある・・・。

そんなジェシンに肩をすくめたヨンハが・・・
  頷くでもなく笑うと、娘に目で挨拶だけして
       軽い足取りで、帰って行った・・。

ヨンハの後ろ姿を、
   全く信用のない目で、呆れたように見たジェシンだったが・・

まだ、しゃがんだまま、ジェシンとヨンハを笑ってみていた娘を見るなり、
「行くぞ。」
顔を戻したジェシンが、言った。

「え?」
改めて、ダウンがジェシンの顔を見上げた。

立ち上がったホン・ギルドンは、かなり大きくて、
 それで、びっくりして
  慌てて、立ち上がったダウン。

「で・・でも・・」
名残り惜しそうに門へと目をやったダウンを見て、

「・・・・・。」

ち。
 舌打ちしつつも、呆れた目で、ダウンの見る屋敷へと目をやったジェシン。

「安心しろ。
  この屋敷の息子は留守だ。

 俺も、どうせお前の屋敷の方に用事がある。
     送ってやるからついてこい。」

そう言って、ちらりと・・
  視線をダウンから離れた路地裏へと移した。

そこに見える、二人の男の姿・・。
屋敷から少し離れた路地裏で、
  さきほどからダウンの方を見ていた男たちに目をやると・・

まるで、猫の子でも捕まえたかのように、
  その首根っこを摑んで、門の方から、屋敷へと行く先へと、回れ右、させた。

そんな様子に、
   男たちの姿も、路地裏に消える・・。

「え?

  え??」
突然のことに、訳が分からないダウンは、
  くるくるした目をジェシンに向け、押されるがままに足を出しつつ、
      振り返って、尋ねるように目を上げた。

「ついでだ。
 屋敷まで送ってやるついでに・・

  あの屋敷の息子を探っていた、姉について聞かせろ。」

歩きはじめながら、
  そう言ったジェシンに・・

「え・・・あ・・・・」

目を、泳がせたダウンが・・・
  ようやく、聞かれた意味が分かり、

ほんの少しだけ、誇張した、人々がダウンに甘く教えてくれる、称賛の声を混ぜて、
   話し始めた・・。

「目・・目が・・・

  大きくて・・
 あの・・笑った様子が・・花のようだと・・」

ダウンの脳裏には、
  きゃっきゃと笑う自分自身を例えた父の言葉が浮かんだが・・

ジェシンには・・
  まだ見ぬ娘が、顔半分を扇子で隠しつつ、くす・・と綺麗に笑う様子を、思い浮かべた・・。
~~
「それでね・・・あのね・・」

ダウンは、
   途中から、すっかり怖くなくなった。

『ホン・ギルドン』さまが興味ありげに聞いてくれるのが嬉しくて・・
それで、ついつい、色んな『姉』の話を、した。
       ・・・すべて、ちょこっとだけ、誇張した『姉』の、話を。

その話を、ジェシンはただ、うなずいて聞いた。

ダウンとジェシンの影が、夕日に映し出された・・。

長く伸びたダウンの影は、
  それでも、ジェシンの腰よりも、少し上・・という位置で、止まってしまっていた・・。

****************************************

ジェシン・・これから花嫁の屋敷へ・・???

え??
さて。これからどうなっていくのか♪
  背伸びしても、まだ口元にも届かないような、甘い恋。

始まるんでしょうかね??
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~ Comment ~

更新ありがとうございます♪♪♪

やっぱり、可愛いダウンちゃん(≧∇≦)
コロもぶっきらぼうではあるけれど、優しさが見え隠れして素敵です。

まだお互いが結婚相手とも気付かずに出会った2人、
心が通い合うのはまだまだ先でしょうが、
可憐な容姿に似合わず行動的なダウンちゃんに振り回されつつも放って置けないコロ
…という構図が頭をよぎって仕舞いました(^_^;)

コロの心にはまだユニが住み着いているみたいだし、前途多難ですが
ダウンちゃんが傷つかずに幸せになれると良いな。
すっかり母親の様な心境でいますf^_^;

のあさん、続きも楽しみにしていますm(_ _)m

Re: なつやすみ3さん

ぶっきらぼうではあるけれど、優しさが見え隠れするコロ、大好きなんですよね♪

お互いが結婚相手とも気付かずに出会った2人(笑)

行動的なダウンちゃんに振り回されつつも放って置けないコロか!なるほど(笑)
自分ははちゃめちゃだけど、ダウンがすると気になる・・ほおっておけない・・みたいなね!(笑)

ダウンちゃんが傷つかずに幸せに、なれるよ♪きっと!!
安心して見守ってあげてくださいね♪

ま・・コロというよりダウンちゃん、おこちゃまなので、ハラハラしますがね(笑)
楽しんでいただけることを期待して♪
ありがとうございました♪
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