スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←☆短編妄想劇☆番外編『背伸び・・して測る恋』(コロ&パン・ダウンの、お話)1(序章~出会い編) →☆短編妄想劇☆番外編『背伸び・・して測る恋』(コロ&パン・ダウンの、お話)3(ありえない再会)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  • 【☆短編妄想劇☆番外編『背伸び・・して測る恋』(コロ&パン・ダウンの、お話)1(序章~出会い編)】へ
  • 【☆短編妄想劇☆番外編『背伸び・・して測る恋』(コロ&パン・ダウンの、お話)3(ありえない再会)】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

☆番外編の番外編~コロのお話

☆短編妄想劇☆番外編『背伸び・・して測る恋』(コロ&パン・ダウンの、お話)2(再会~変な縁)

 ←☆短編妄想劇☆番外編『背伸び・・して測る恋』(コロ&パン・ダウンの、お話)1(序章~出会い編) →☆短編妄想劇☆番外編『背伸び・・して測る恋』(コロ&パン・ダウンの、お話)3(ありえない再会)
成均館で過ごす一年とは、早いもので・・   
 膨大な読書量を要する難解な講義、
   とりわけ、癖のある先生の受け持つ講義で可をとることも簡単ではない中、
大科試験に向けての勉学も怠ることはできないため

 儒生たちの過ごす時は、あっという間に過ぎていく。

今までは、過ぎゆく月日を惜しむことのなかったヨンハやジェシンにとっても、
  この年は違った。

何を間違ったか、傍にいるようになったソンジュンやキム・ユンシクと共に
    初めて、大科を受験し、ついにこの成均館からこの者たちと共に出る・・
      そんな意思を持ってしまったがためだ。
惜しむことのなかった過ぎゆく月日は、
 ジェシンにとっても今、この瞬間も手のひらから零れ落ちるほど惜しく感じる時の流れを感じるとともに、
    誰よりも己が惜しみつつ、例年の数倍忙しく、ジェシンは成均館の中、過ごしていた。


・・ようやく、そんな『成均館儒生』らしき日々を
   ソンジュンやユンシクらと共に送ることになっただけでも時間はないというのに・・
 (儒生らしい日々って(笑)今までどんなに呑気だったんだ・・(苦笑)かなりの強者)

さらに、涙が出るほど有難いことに・・
  突如言い渡された王命により、
    隠密に金縢之詩(クムドゥンジサ)の調査のために四人衆で時を費やすというおまけまでつき・・

挙句、その間も、ジェシンの代わりにソンジュンが紅壁書(ホンビョクソ)として捕えられてしまったり
  四人衆のうちのヨンハの身分が両班という肩書を買った上で成り立ったことだとばらされてしまったり・・

果ては

ジェシンの中にも存在した、『人のために動く心』
  それが唯一動かされる人物・・キム・ユンシクの最大の秘密が
       王に露見してしまったり・・        (ドラマ内でね)

普通に受かるために勉強に励むだけでも死者が出ることもあるほど人生をかけた大科を前に、
  ジェシンたちのやることは、あまりにも多かった。


そして、金縢之詩(クムドゥンジサ)の件が一段落つき、
   四人衆がはっと気付いた頃にはもう・・

季節は・・
  大科までの時間が残されてはいない事実を気づかせるまでに
    いつの間にやら、移り変わっていた・・。

(・・・そりゃそうだ・・。
       王様・・・)
~~
「あぁっ!!!

   くそぉ!!!!!
 やってられっか!!!!!!」

室内にも関わらず、
   白い息を吐いたジェシンが唸り声を上げると、
他の三人が目を見開いて見る前、     
    ばんっと大きな音を立てたと同時に、ジェシンは仰向いて床へと倒れこんだ。

~~
王命による金縢之詩(クムドゥンジサ)のために、
  ほぼ成均館儒生たちが勉学で励んで過ごす貴重な時間を、あれだけ割いてやったというのに・・

王の与えた褒美とは、四人衆が受ける予定である大科の会試を、
    たったの1か月間だけ、遅らせるといったことだけだった。
(王はこの四人衆が欲しくて仕方がないのでね。
   時間は余り待てないらしい(笑))

もちろん、金縢之詩(クムドゥンジサ)をこの四人が調査していたことは
 一部の人間以外は知らないため、
   この処遇も、王にとっては『できるだけの処置』ではあったのだろうが・・

本当ならもう少しだけ、寛大な恩恵を賜ることができると思っていた四人にとっては、
   いつの間にやら移りすぎてきた季節に気づいたが最後、
     成均館の誰よりも、慌てて机に向かわなければならない状態となった・・・。

もちろん、全員が全員、受けるわけでもないし、
  全員が全員、ここまで机に齧りついているわけでもない。

それは誰よりヨンハとジェシンが知ってはいたが・・
彼らの隣に座っているのは、何を隠そう、
  産まれて生きてきてから今までに、
   『壮元(一番)』しか取ったことのないという、あのイ・ソンジュンと、

受けてきた試験はこの成均館の中誰よりも少ないだろうが、
 家に籠っていたその時でさえ誰よりも多くの文献を読み(まぁ・・お金の為もあったのだけど)
   学ぶことに喜びすら覚える、
 その、イ・ソンジュンと張り合うだけの能力をもった・・キム・ユンシク・・その二人だ・・。
~~
はぁ・・・
  寝ころんだまま、また目を机に戻した二人の姿を、
    恨めしそうに目を細めて見たジェシン。

ジェシンの視線が、
 柔らかそうな唇に、筆の先を当てながら、
     一生懸命文字を追いつつ、その唇を声なく動かすキム・ユンシクへと・・
       注がれた・・。

王にキム・ユンシクの正体が女だとばれたということは、
  この女人禁制の神聖な歴代の王をも祀る成均館に、女の身で入り込んでいたということを表し・・

それは、国法を犯した大罪、
      王をも騙した不敬罪で、一族を率いた死罪をも免れぬ事態だった。

にも関わらず・・
   キム・ユンシクが、今、ここにいる・・。

ジェシンの目に映る、本だけをじっと見る、誰よりも華奢な肩をした、青年の姿・・。
ジェシンの目は、じっと・・
   ただ、文字だけを追う、長い睫を持った、大きな瞳に吸い寄せられるようにユンシクだけを見つめていた・・。

そんなジェシンに、口の端を上げて近づいてきたもう一人・・
~~
あ・・・まだ『しつこい奴』としか名前も紹介すらしていなかったが・・(名は出てきたけどね)
  ジェシンを含む、『四人衆』とまとめられた中の一人。
通りを歩くだけで、女の目を一瞬にして虜にしてしまう四人衆、
  イ・ソンジュン、キム・ユンシク・・
    それから、身なりは野蛮だが、それもまたよいとされるムン・ジェシン・・

あと一人・・その中で一番、眩しく煌めく装いに身を包んだ、この男。
 儒生らしくないといえば、髪をだらしなく肩の下まで垂らし、
     ぼろを着たジェシンも大概ではあるが・・
      きらきらと光る儒生服も、清廉な儒生という名目では、
       おおよそ儒生らしくない。

それが、ク・ヨンハ。
生来のお調子者であり、
   唯一このジェシンに向かってでも、遠慮なく、物いえる男・・だ。
~~
ひそり。
ジェシンの傍へと近寄るなり、
  ユンシクだけに向けられた顔の横・・
     ヨンハの笑ったその口が、まさにその耳に息を・・吹きかけようとした・・その時・・・

ぼかっ!!!!!
  長い脚が弧を描くなり、ヨンハが後ろへと飛んだ。

顔も向けることもなく、脚で近よるなとばかり、蹴りを入れたジェシン・・
「ごほぉっ!!!!! (蹴られて吹き出した音・・きついな・・オイ・・。)
 なんだよ!

  つれないなぁ・・・。
 お前がぼォっとしてるから・・ 
 俺もそろそろ一息入れようとしてたとこなのに・・・

   て・・・
 おーーーい!!!
  どこ行くんだよ!??」

ヨンハが性懲りもなくジェシンの肩へともたれかかろうとするなり、
   またも豪快にその身体を何の遠慮もなく蹴り飛ばし、すくっと立ち上がったジェシン。

「くはっ・・。

 ・・・・?」
涙目になったヨンハが、自身の脇腹を押えつつ、立ち上がったジェシンの横顔を見た。

「出てくる。」
ジェシンはそれだけ言い残すと、
 すっかり寒くなった外に、壁に掛けてあった自身の外出着である道袍(トポ)を肩にひっかけ出ていった。

「・・・なんだ?

   あいつ・・」
出て行ったジェシンをきょとっと見たヨンハ・・。
ぽりぽり・・
 からかい損ねたことで拍子抜けしたように額を掻くと、
  ふと、また何か別のよからぬ考えでも浮かんだのだろう・・

口元を緩めて振り返り、突然ジェシンの出ていった扉へと目を向けたユンシクと、ソンジュンを見ると、

すす・・
  鼻の下を指先でこすりながら・・

「俺も息抜き・・してこよっと。」
足取り軽く、
  外へと出た・・。              (笑)

「「・・・・・?」」

二人が急に出て行ったことで・・
  一瞬きょとんと目を合わせた・・ソンジュンと、ユニ・・

「・・・・・?」
  「・・・・・?」

だが、不思議そうな顔で、互いに見つめあった瞬間、
  二人の表情が、固まった。

・・急に、部屋に二人になったことだけが意識され・・

ごほんっ!!!

  んんっ!!!

大きく咳払いして、目を瞬かせながら本へと戻したソンジュンだったが・・

ほんの少しだけ、机をユニの方へと動かすと・・

「・・・・・。」
ちらりとユニの方を意識させた目をやりつつ、そっと、自身の片方の手を、ユニの机の上へと乗せた・・。

「・・・・・。」

きょとんとそんなソンジュンの長い指先を見たユニ。

くす。

ユニの目に映ったソンジュンは、 
手はユニの机の上なのに、
   表情は何もないようにユニから目を逸らし、文字を追っている・・。

いつか、あった。
わかりやすい、そんななんとも子供っぽい、仕草で表情を隠すソンジュンに、
  口元がつい、綻ぶと・・

ユニも、細く、少しだけ冷たくなった指先を、 
  ソンジュンの手で、暖めるように、握りしめた。
~~
ジェシンは、肩先に道袍を羽織ると、
   特にどこへ向かうともなく、脚を進めた。

ユンシクの無事が分かり、
   その存在をソンジュンに託して以降のジェシンの胸は、
           なんとも表現しがたい、変な、感じだった。

ユンシクを見ると、胸が騒ぐのも、まだ少し、残っていたとはいえ、
    二人を見るとつらいとか、腹立たしいとか・・

そういう感情はすでに、胸を締め付けることはないほど、 
      薄らいではいた・・。

だが、ふとした瞬間、癖のように目で追ってしまうユンシクの存在・・。

「・・・追うなよ。

  それが癖になる。」
上を向いてどんよりと曇った雲を見つつ、
   白い息をため息のように漏らした中に
     自身に言い聞かせるかのように、ぼそっと呟いたジェシン。

もう、踏ん切りはついたと思っているのに・・
   なぜか、手を離すと思うと、心に隙間風が吹くような・・
 意識がない中でも目にその姿がないと、不安になるような・・
自分で自分の心が、
   よく、分からなくなっていた。

~~
少しの気分転換に、外の冷たい空気を吸うだけのつもりだったジェシンではあったが・・
 いつの間にか足は、南山谷の墨洞(ナムサンゴルのムクトン)へと、向かっていた・・。

足を向けるに従って、街並みが変わる・・。
  屋根が、古い、すさびれた家ばかりになっていく・・。

ユンシクの生まれた街・・。

なぜ、そこに向かうのかなんて、理由もなかったし、
        特に、考えているわけでも、なかった。

成均館からそこへと向かうにつれ・・
      どんどんと街並みが、貧しくなっていく・・。

ジェシンの生まれ育った北村(プクチョン)とは、全く違う街並み・・

だがジェシンは、
  いくつのころからだか、こういった街の方が、落ち着いていられた。

その、向かう途中・・
  昔・・そう・・もうかなり前に感じるが・・

輩に狙われたユニを助けた・・
   初めて会った場所に差し掛かろうとした・・時・・・

~~

「あぁ・・・
   御嬢さんありがたい・・」

かすれた老婆のような声が聞こえ、
 ふと、その声の方へと目を向けたジェシン。

見ると、小さな娘っこが一人・・
  地面に物乞いのようにうずくまった、ボロボロの老婆へと、何か包んだ物を、
       手渡していた・・。

「・・・・・。」
そんな娘に、
  ジェシンの足が、止まった・・。

何か、違和感を感じたからだ。

~~
どこかの私奴婢のような服装をしているものの、
   その恰好は変に小奇麗で、違和感を感じる・・。

その後ろ髪につけられた、鮮やかな桃色に、綺麗な刺繍の入ったテンギ(りぼん)に・・
  頭の上についた、ペシテンギ(丸っこい、つむじにつける髪飾り)・・

それに、薄いチプシン(庶民の履く靴、藁で編まれただけの薄いもの)を履いている割に、
      妙に白い足袋が目立つ・・。


その様子に、少しだけ、呆れたように目を丸くしたジェシン・・
  ーどっかのわがままな令嬢のお忍びか・・。

「・・・・。」

はぁ・・。

近くの壁にもたれかかると、
    ジェシンは、しばらく様子を見るように呆れた様子で腕を組み、脚を伸ばしてその娘に目をやった。

本人は至極普通に庶民に混じっていると思い込んでいるのであろうが、
   はたから見れば、その身分の差は、一目瞭然だったからだ。

別に手を出すつもりもなければ、
  教えてやるつもりも、なかった。

ただ、見ていただけ・・。

何しろ・・今のジェシンに目的はなく、
   単に外に出たかっただけだったから・・。

てっきり下人がついてきているものだろうと思い、
  ちらりと目を傍へと向けてみたが、誰も隠れている様子もない・・。

娘は、しきりに、薄汚れた色をした裾から、
  貧しい街並みの中では浮き上がるように白くて細い腕を伸ばし、
    座り混んだこのあたりの住人へと
     その手の先から、小分けに包んだ物を渡して回っていた。

「・・・何を渡してんだ?」
どうやら、全身を垢で汚したような子供たちが、
    溢れるほどにあちこちから寄ってくるところを見ると、菓子のようだが・・

次第に増える人数に、少し慌てながらも、
  小分けにしていた包みをばらして配り始めた娘・・

肩から下げていた、大きなポジャギ(風呂敷)が、どんどん小さくなっていくのを
  ジェシンが離れて見ていた時・・

少しずつ・・
   ジェシンの目の端に、不穏な空気が映り始めた・・。

予想通りすぎる展開に、ぼりぼりと・・
  乱雑に束ねた髪の後ろを指で掻いたジェシン・・

・・と・・

  その時・・

娘の両端から、にやにやと笑ってみていたぼろを纏った若者たちが
  目を合わせるなり・・
「っきゃ!!」
一瞬にして、
  その場から、奪い去った・・。

何を・・?

娘の持っているポジャギ・・・ではなく・・
    小さな娘、そのものを!!!!!

これには輩の悪巧みを想定していたジェシンも、
                 目を見開いた・・。

!???

娘は、おそらく娘というものに縁のない、娘の年などとんと疎いジェシンが見ても、
      十になるかならないか・・というところか・・

一瞬離れたジェシンの目が、 
     すぐに娘の後を追った。

男の内のガタイのいい男が一人、
  脇に二人のひょろこい男たちを連れながら、その娘を肩に担いで逃げている・・。

今まで娘たちに何か恵んでもらっていた者たちも、
   そんな娘が今、目の前で攫われてしまったというのに、
      その男たちに口を出すのが怖いのか、
          皆、一瞬で、その場で散るように去ってしまった・・。
「ち。

  これだから・・・」
何事もなかったかのように散った住民たちを呆れた目で見た後、首を振ったジェシン・・
   めんどくさそうに頭を掻くと・・・

ジェシンもまた、もとからその場にいなかったかのように、
一瞬にして・・
   その場から・・消えた・・。

おそらく・・
  その場の誰も、ジェシンが消えたことすら、気づかなかっただろう・・・。

たたたたったたたたた・・・・!!!!!!!

一瞬で消えたその姿は・・
     屋根の上にあった。

地を走るその男達よりも数倍速いその脚は、
  足音も立てず・・その男たちの横・・屋根の上を走る・・

ふと、
  ジェシンは不思議と己の身の軽さを感じた。

それとともに、
   言いようのない、開放感を、感じた。

王に紅壁書がバレてからは、
   このように屋根を走ることはなかったからだ。

道がなく、
   壁もない。          (ま・・落ち着いた地面もないけどね。屋根には)

自身が駆け抜けると、頬に当たる風がなんとも冷たく、
  そして、何が原因なのか分からぬ、自身の隙間風を埋めるかのように、
      その胸いっぱいに、吹き抜けた・・。

ジェシンの口元が、
   にやりと上がった。

うじうじと自分らしくもなく、
   ソンジュンとユンシクの前、ただ黙って見ていた自分自身が急に恥ずかしくなった。

見ていて何が悪い。
  目が行って何が悪いのだ。

奴がそこにいるから、ただ目に入るのではないか。

男ならば、目に映すのはむさくるしい男より、
  華のある女が見たくて当然だとジェシンに言い聞かせてきたのは、誰よりヨンハだ。

アイツの言葉になど、同意したことはなかったが・・
この後、戻ったら、遠慮なく、
  ソンジュンとユンシクの間に割って入ってやれるだろう。

急に吹っ切れた胸は、すっきりと晴れ渡った。

ジェシンがそんな変化に、
   口元を緩めて駆け抜けている中・・・

「・・・・・っ!!!!!」

(娘にしては)大男に担がれた娘は、
   恐怖に叫び声も上げれず、ただ、歯を食いしばり、目をぎゅっと閉じて、
     男の走るたび、腹に感じる硬い肩の振動に、
       息を殺して耐えていた・・。
~~

っどさ。

どれくらいそうしていたのか・・
   急に、物を扱うように、どこかへと放り投げられた娘・・

揺れのない、固い地面を身体で感じた瞬間、
 ぶるぶると、身体が自身の意思とは関係なく、
  制御できない程、震えだしているのを、娘は感じた。

「コイツ・・
   どこから来たんだ?」
じろじろと娘の全身を舐めるように目で見る男に・・

ぎゅ!!!!!!!
   涙も出てこない目を、硬く、閉じた。

「へぇ・・
  よく見ると、可愛いじゃん。」
しゃがんでもう一人の男が近づき、
   娘の顔を覗き込むと・・

「どっかの屋敷から家出でもしてきたんだろ?
   見ろ。その肌の綺麗さを・・。」

言葉、とは、文字と、声で印象をがらりと変えるもの・・。

綺麗さを表す言葉は、
   どんな言葉よりも、娘には恐ろしく感じられた・・。

娘を担いできた大男が、にやりと笑うと、
  そんな二人の間を割り、
     娘へと、近づいた。

そして・・
  その手を娘に伸ばした・・時・・・

「って!!!!!!!!!」
一瞬何が起こったのか、
  男が突然感じた手の激痛により、その手を押さえると、後ろに倒れこんだ・・。

「ど・・どうした!??」
他の二人が駆け寄った時・・・

っすと。

娘と、後ろを向いた二人の間に、
       何かが降り立った・・。

その気配に慌てて後ろを向いた男たち・・
  大男の娘に伸ばした手の甲は、
    真っ赤にあっという間に腫れ上がっている・・。

「な・・なな・・なんだお前っ!!!!??」            
(我ながら・・なんて王道・・(呆笑))

目を閉じた先の、
  様子が変わったことに・・

そっと・・身を縮めていた娘の目が・・
   開いた・・。

目の前に足があり・・・
  そっと開いた目を上へとその脚に沿うように上げると・・

両手を組んだ腕が見え・・
   その先に、髪に大半を隠された、横顔が、見えた・・。

「・・・・・っ!!」

娘の目が、顔に届いたと同時に、
   その男に向かって襲いかかってきた二人の男。

娘は、叫び声すら上げられぬまま、
   ただ、震えてもう固まってしまった両腕の中に顔を伏せ、
       体中に力を入れてぎゅっと目を閉じた娘・・

がっ!!!!

   バッ!!!

    ダンッ・・・ガッ!!!!!!!!!!

至近距離で目の奥に影が動くのと、
   恐ろしく、聞いたこともないような音が、娘のすぐそばで、響いた。

どれくらい、目を閉じていたのか・・

  どれくらい、身体をぎゅっと縮めていたのか・・・

とてもとても長かった気もするし、
   一瞬だった・・気もした。

「・・・・・。」

静かになった空気の傍・・
  まだ、目をぎゅっと閉じていた娘・・・

「おい。」
頭の先から声が聞こえ・・・

「おいっ!」

それでもまだ、目を閉じていると、
     また、その声が聞こえた・・・・

遠くのような・・
  すぐ、近くのような・・

そっと・・目を開いた娘・・・

その目が、
   大きく大きく、ぱっと一瞬で、見開いた。

すぐそばでこちらを見つめた、目と、目があったからだ・・。

半目のようなその男の目が、娘の開いた目を確認すると・・。

「終わったぞ。

   帰れ。」
こともなげに、その場から立ち去ろうと・・した・・。

娘がただ、目を見開いて、
   その場を見渡したが・・・

さっきの三人の姿はもう、どこにもなく・・・

「・・・・・・。」

黙ったまま、まだ、放心状態のように、
   座ったまま目だけをその場で、泳がせた。

「・・・・・・。」
立ち去ろうとしたジェシンだったが・・
  後ろにいる娘は、立ち上がる気配もない。
動く音もなければ、
  ぴくりともする気配がない。

後ろを向いていたジェシンが、一瞬目を閉じたが・・
   諦めたように息を吐き、
     それから振り返った・・。

「帰らねえのか?」

娘へと、聞いたジェシン。

娘の丸い目が、ジェシンを捕えたが・・
  小さな口が、ほんの少し開いただけで・・
     娘が動くことは、なかった・・。

~~

「・・・・・。」

  「・・・・・・。」

娘と、ジェシンは互いに無言だった・・。
  ジェシンの背に、負ぶわれた娘・・・

広くて硬いジェシンの背に、
  ほんの少しだけ、もたれかかるように頬を置くと・・

不思議とようやく、心臓が音を鳴らし始めた気がした・・。

肩の後ろにもたれかかった娘の頭を感じつつ、
   ジェシンも、あまりに軽く、浮いてしまいそうな柔らかい娘の身体を、
     浮かせないよう、怖がらせないよう、背に負ぶったまま、歩いた。

もちろん、そんなこと、思いながら歩くわけもない。
  すべてゆっくりなのは、無意識がなせる業・・で、あった。

恐らく・・
 これまでに関わったこともないような、小さな娘だったからかも、しれない。

恐らく、
  先ほど、ふっきれたばかりの胸が、余裕をもって、そうさせた仕業かも、
     しれなかった。

だが、このいつものジェシンらしくない振る舞いは、
  ようやく息を吹き返してきた幼い娘の心臓を、
     いつも以上に、活発にさせた・・。

だが、まだ幼い娘には、その理由も分からなくて、
  落ち着かない心臓は感じたが、
    さっきは、大きな男に担がれてあれほど怖かったというのに、

今は、大男よりは少し細めだが、
  硬くて広い、目の前の大きな人の背中が妙に落ち着くし、

その香りが、鼻先から離れずに
  きゅっと、苦しくなってしまうような胸の締め付けも・・
    不思議と、怖くはなかった・・。

~~

「ほらよ。」

娘の唯一話した場所の屋敷の少し先まで辿りつくと・・
   娘をそっと降ろした、ジェシン・・。

「・・・・・。」

娘がゆっくりとその脚を地に着けると、
   ほんの少しだけ、まだ震えた足を踏ん張りつつ、なんとか自分で立った・・。

どきどきとした心臓は、
  結局、まだ、さっきの男たちが怖かったからだと思って、納得した。

震える脚も、さっきの男たちの恐怖だと、思った。

・・・二人とも・・

だから、特に不思議とも思わず、
   ジェシンはジェシンらしくもなく、この小さな娘の震えが落ち着くまで、
     その腕を貸してやった。

「あ・・ありがと・・・ございます・・」

初めて、娘が口を開くと、
  その目を、自分よりもはるか上にある、ジェシンの顔へと、上げた・・

途端・・

 「ふ・・ふぇ・・・」

今になり、あふれ出てきた涙・・
  安心したせいなのか、怖かったからなのか・・

それとも、
  今、目を合わせた相手の男に、突然跳ねた胸に驚いたせいなのか、

原因なんて、娘自身にも、分からなかった。

だが、突然、娘の大きな目からは、
  ぼろっぼろと大粒の涙が零れ落ちてきた。

はぁーーーーーーー!!!!
  がしがしと頭を掻いたジェシン。

娘が怖かったのは、分かる。

自分の屋敷に戻れて、ほっとしたのも、分かる。

だが、言いたいのをずっと堪えてはいたが、
    幼い娘の身で、一人で不用心にあんな貧しい街へと出来心で奉仕していた方も、悪い。

いきなり泣き始めた娘を、本当に苛立たしげに目をやると・・

「泣くな!!!!!!」

今迄優しく黙っていたはずの、男が、怒鳴った。

ぴた。

途端に、驚いたようにジェシンに目を向けて、
   目には大きな粒をためつつ、泣きやんだ娘。

目に浮いた大粒の涙は、
  今にもこぼれんとばかり、長い睫の下、目にくっついていた・・・。

「簡単に泣くな!!!

   小さいからと言って、なんでも泣いて終われば、それが癖になる!!」

目を細めたジェシンが、
        娘に言った。

ぱちり。

娘の目が、
  一度、大きく瞬いた拍子に、その大粒の涙を、ぽたりと、落とした。

「ごめ・・」
んなさいと言いかけて・・
   つぐんだ唇を押さえたが・・


「それから・・ 

   謝る必要もない。」

そんな娘の口が閉じる前に、
   ジェシンの声が、かぶさった・・。

「・・・・癖に・・

  なるから・・」

娘が、無意識に、口先で、ジェシンの台詞を、呟いた・・。

娘のジェシンを見上げる目が、変わった・・

その途端・・・
  はっと目を見開いたジェシン・・・

そう言えば・・・

明るい中、見るのは初めてだったが・・
  このあたりの屋根を、走ったことがあった・・。

見開いた目で、娘を見下ろしたジェシン・・

娘がまっすぐに、
  ジェシンの顔を、見上げていた・・。

「あの・・・」
娘が口を開きかけた・・・。

娘の姿が私奴婢ではなく両班の身分だということまでは気づいていたジェシンだが・・・
   自身を見上げる娘の姿が、あの時の娘と姿が重なり・・

動揺しかけた目を、なんとか抑えると、
    静かに娘から、その目を逸らしたジェシン・・

「・・・ホン・・ギルドン様・・?」
そんなジェシンに娘が呟いた。

勢いよく、知らぬふりをして、踵を返すと、
   去って行こうとしたジェシン・・

だが・・

「ホン・ギルドン様!!!
  そうでしょ?そうですよね!!???」

娘の輝いたような大きな声が後ろから響き・・

その声に驚き、足を止めたジェシン。
一瞬・・動作を止めた後、
「あーーーーーー!!!!!面倒くせぇ!!!!!」
ガシガシと頭を掻いた。

ーどうせ相手は小さいガキだ。
       今後会うことも、ない。

そう、吹っ切れた心で呟くと・・

くるり。

回ってから、
   細めた目を、娘へと近づけた。

どきんっ!!!!!!!

  娘の目が、大きくぱっちりと、開いた。

それから・・ 

  どきんどきんどきんどきん・・・

胸が、騒ぐ。

  さっきよりも、もっと、騒ぐ・・

そんな娘には、まったく気づくこともなく、間近に近づいたジェシンが、
    ぼそっと言った。

「お前もお忍びで来たんだろ?
   ばらされたくなかったら・・黙ってろ?

 ・・・いいな?」

耳元で響いたジェシンの言葉は・・・
  怖いどころか・・
    なぜか、耳から胸の奥まで響き、

きゅっと、その奥を締め付けた・・。

「・・・・・。」

素直に娘が、黙って固まったのを感じ取ると・・

  ふん。

 口の端を上げたジェシン・・

去って行きながら・・
  ほんの少し、口の端を・・上げた・・。

~~
「なんだよ?

  どこに行ってきた?
 えらくご機嫌じゃないか。」

呆れたように笑顔で話しかけるヨンハをよそに、
  相変わらず本へと目を向けたソンジュンとユンシクを見たジェシン。

やはり・・
   その胸に隙間風は、吹いてはいなかった。

どっかり。
  座るなり、本を開いたジェシン・・

こて。
  ユンシクの膝を、膝枕にしつつ、本を両腕で持ち上げて読むと・・

「「・・・っ!!?????

   コロ先輩!!!!!!!」」
叫ぶソンジュンとユンシクを尻目に・・
    知らんふりして、目はただ、目先の本だけに向けた。

その時、突然思い出した。
『貧しい奴らに配りたいのなら、自分でやれ。

   人に頼るな』
そう言った、自分の言葉を・・。

ーアイツ・・
   本当に自分で配ってやがった・・・

すっかり忘れていた一年ほど前の自身の言葉を思い出すと・・

くっ・・!
  目を閉じて、静かに笑った。

そこへ・・

  ぬぬぬ・・・

ふと、閉じた目の前・・
   影が忍びよると・・・

ふるふると・・・あの・・・娘とは違った意味で・・
     怒りに体を震わせたソンジュンが・・・

「先輩・・

   そこで・・なにを笑っているんですか・・・」

思い切り・・
  その笑顔を引きつらせて細めた目で・・・
      にっこりと・・・睨んだ笑った・・・。

ひ・・ひく・・
  口を引きつらせたジェシン・・・

が、弓道をたしなむものならわかるだろう・・。

震わせたソンジュンの手が、ジェシンを今掴んだら、どうなるか・・。

ソンジュンの弓の実力を知るものは、
 その真の内に秘めた力を知るものでもある。
(だってユニに弓をさせるのに、
  片手で木に吊るす男だよ・・(笑))

震えたソンジュンの手が、
  ユニの膝に頭を乗せたジェシンへと降りる前・・・

また、素足のまま、外へと、飛び出していった・・。

「くっそぉ!!!
   ちっとも勉強になんねぇじゃねぇか!!!!!」

ジェシンの呟きもむなしく・・・
  皆の集まった中二房が・・開かれることは・・なかった・・。

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

あはは★

お久しぶりです♪ずいぶん肌寒くなりました!皆様風邪などひかれませんように!
追い出すのではなく、
    珍しく追い出されたジェシンもね(笑)


スポンサーサイト


もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  • 【☆短編妄想劇☆番外編『背伸び・・して測る恋』(コロ&パン・ダウンの、お話)1(序章~出会い編)】へ
  • 【☆短編妄想劇☆番外編『背伸び・・して測る恋』(コロ&パン・ダウンの、お話)3(ありえない再会)】へ

~ Comment ~

更新ありがとうございますo(^▽^)o

ダウンちゃん&コロのお話、大好きなので
とても嬉しいです♪( ´▽`)

コロ自身も、すっかり忘れていた言葉を
しっかり実行して、一人で出掛けたダウンちゃん…
危なっかしいけれど健気で可愛いです(*^o^*)

怖い目に合ってしまったけれど素敵な男性に助けられ、
その顔を見たら、あの時のホンギルドン様(#^.^#)
王道ですね(*^^*)
もう、ダウンちゃんじゃなくても
ときめかない訳がない(#^.^#)

のあさん、素敵なリメイクをありがとうございましたo(^▽^)o

Re: なつやすみ3さん

1か月以上ぶりの更新(笑)
発掘ありがとうございます(笑)

まずは、ダウンちゃん&コロのお話からまいりました☆

大好きなお話ならばよかったです♪♪(* ´▽`)

考えてみたら、これ一回じゃないかもだし・・
  かなり危なっかしいけど・・(笑)

縁ですね~☆助けてもらってよかった(笑)
王道ですね(*^^*)(笑)あはははっは


そうよそうよ!!ときめかない訳がない(笑)
・・まぁ・・・本人、気付いていませんが・・(笑)

こちらこそ♪1か月以上もあけていたにもかかわらず、来ていただいて、
ありがとうございました♪

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: こんにちは☆

あはははは!!!ほんとだ!!!!

いつもいつも、ありがとうございます!!!ただちに!!(笑)
これからもよろしくお願いいたします♪(*^w^*)
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。
  • 【☆短編妄想劇☆番外編『背伸び・・して測る恋』(コロ&パン・ダウンの、お話)1(序章~出会い編)】へ
  • 【☆短編妄想劇☆番外編『背伸び・・して測る恋』(コロ&パン・ダウンの、お話)3(ありえない再会)】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。