スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←#第5話。あふれ出てしまった気持ち(下) →☆短編妄想劇☆番外編『背伸び・・して測る恋』(コロ&パン・ダウンの、お話)2(再会~変な縁)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  • 【#第5話。あふれ出てしまった気持ち(下)】へ
  • 【☆短編妄想劇☆番外編『背伸び・・して測る恋』(コロ&パン・ダウンの、お話)2(再会~変な縁)】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

☆番外編の番外編~コロのお話

☆短編妄想劇☆番外編『背伸び・・して測る恋』(コロ&パン・ダウンの、お話)1(序章~出会い編)

 ←#第5話。あふれ出てしまった気持ち(下) →☆短編妄想劇☆番外編『背伸び・・して測る恋』(コロ&パン・ダウンの、お話)2(再会~変な縁)
このお話を読んでいただくにあたり、また、注意事項がございます☆

それは、ずっと数名の方々や成均館原作派の方から熱烈(笑)
コロ&パントマクの恋愛を描いてほしいといただいていたんですが、それは原作のお話だから・・・^^;
と、暗に濁しておりました・・。

こちらの妄想劇を描くにあたり、あくまでもととなるのは、

 ドラマの、方です☆

ドラマと原作ではどうしてもお話も違うため、違った妄想劇になってしまうんです・・。

なので、パントマク(半切れ)はあくまであの(原作本の)小さな可愛いパントマクではありますが・・
あの原作の出会いとは、
  少しだけ、違うんです・・・。

のあの観た、『成均館』の後の、妄想劇に、なります☆

ご了承いただける方のみ、どうぞ・・・♪
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

~序章・・
     出会い編~


その屋敷は・・・
   ずいぶんとその辺りに多い旧家である他の屋敷に比べて、古く感じられた。

かつての栄光を示す大きな門も、今ではあちらこちらに亀裂が生じ、
  大きな屋敷を囲む土塀も、今にもくずれそうに、
             劣化が目に見えて分かった・・。

この『成均館スキャンダル』で登場するもう一つのお話の主人公・キム・ユニ・・

彼女の実家よりは、もちろん大きく立派な屋敷ではあったが・・・

裕福な屋敷ばかりの並ぶこの地でこの屋敷は・・
   どこか、そこだけがひょっこりと浮いて見えるような・・

そんな雰囲気すら、感じさせられた・・。

だが・・

あぁ・・・心地よい風が吹くと・・
   その、屋敷からは幾数もの花弁が、ひらひらと舞い散ってくる・・。

季節、季節を感じられるよう、庭先に植えられた木や花は、
  全て、この屋敷に望んで望んで・・
   望んだ末にようやく生まれた・・
       一人娘に見せるためのもの。

娘の産まれた日・・
  屋敷に仕える下人総出で、
   この屋敷の主が、庭先へと、植えさせたものだった・・。

それから・・・十三年の年月が流れ・・・
   今や、屋敷の外観は、その当時よりもさらに、すっかり古び、
        それを修復も難しいくらい、没落寸前の屋敷であった・・。

とうに人の足の遠のいたこの屋敷。

だけれども、その庭にある草花だけは、その年月の間に、
 この屋敷で大事に大事に育てられた
   一人娘とともに・・

のびのびと・・
   青々とした葉を茂らせ・・季節にあった、色とりどりの花を咲かせた・・。
~~

「・・・ふぅ・・・。」

暗闇の中・・
   月明かりが眩しい日・・


二つの目だけが、暗闇の間をわずかな光を映して闇の中を走りぬけ・・
    その目が、屋敷の近くの屋根の上先まで来た時、
             ようやく脚を止め、息を吐いた。

・・は.
その息は白く、
   闇の中の月の光の中、ぼやりと、長く伸びた・・。

男の姿は闇に隠れて見えない・・。 
  それは、彼が闇と同調するような
    真っ暗な装束に、身を包んでいるためだった・・。

ところが・・
 この日の月の光は雲が遮った影を除くと、
   その姿すら、闇の中に映し出してしまい・・・

「いたぞーーーーーー!!!!」

その男を追ってきた、何人もの捕盗庁(ポドチョン)の役人たちの声が下の方へと近づくと・・

「ちっ!
   しつこい奴らめ・・・。

しつこい奴が一番嫌われるんだっ・・

   っよっと!!!!!!」

黒巾に包んだ顔の下、男の顔が歪んだ。

それは、追われている恐怖からなどではない。
一瞬、『しつこい』という言葉に
 つい、薄ら笑いを浮かべる、一人の男の姿が、脳裏をよぎってしまったからだ。

~~
にまり。
 口の端を上げて、何人もの妓生に向けるようなそんな一人の男の目を、
   脳裡に思い浮かべた男・・。

いつもへらへらと調子のいい、
        そのある人物を浮かべると・・                (・・・・)

ソイツへのいら立ちを思い出したかのように、
 思い切りその口元を歪め、
   目を細めて、足に力を込めて・・数段低い塀へと、一気に飛んだ・・・。
(怒りを跳躍に役立てる男・・)

ッタ!!!!
  男の足が、音もたてずひらりと飛び移った・・・途端・・・!!!

「うわっ!!!!!???」

着いた足先が滑る感覚とともに・・

   ダダダダガッ・・・・

 着地した先の塀の上に乗せられた瓦が・・
           崩れ落ちた・・・。

ぱらぱらぱら・・・
  崩れ落ちた塀の下で、尻をつき、体制を崩したその男・・。
    
だが・・
「消えた?」

 「そんなはずはないっ!!くまなく探せっ!!」

「今日こそは何としても、紅壁書(ホンビョクソ)を捕えるんだ!!!!」

近寄ってきた役人たちの目には、消えたように映り、
   たくさんの駆けていく足音が、またそう叫びながら遠ざかって行った・・。
~~
「・・・・・。」
そんな様子を息を潜めて崩れた壁の先に耳を凝らして聞いていた・・・
   そう・・この黒装束の男・・ムン・ジェシン・・。

知る人は知っている・・
     彼のことだが・・・

切ない想いに胸を痛めていた彼で知られるのは、別の主人公たちの目で見た話・・
ここでの彼は・・
  それから先・・
    今回の物語の、主人公で、ある。

「・・ふん。
  なぁにが『何としても捕える』・・だ・・。」

見当違いな方向へと向かった捕盗庁の役人たちに、
    布で覆われた口先を上げた・・ジェシン・・。

ざわざわとしていた闇の中の音が鎮まると、
 ようやく、窮屈なその口元の布を外し、
   立ち上がろうと・・した・・・瞬間・・

「・・・いて・・。」

足首に、激痛が走ったのが、わかった・・。

そっと周りの気配を見つつ、
   痛みを感じる足先に手を伸ばしたジェシン・・。

ー骨に異常は・・なさそうだ。
    とすれば、少しここで休んだら、問題ないだろう・・。

そうは思ったが・・
  ふと、あることを思い浮かべると、痛みの感じるその足を再び、立ち上げた・・。

ーいや・・だめだ・・。
    何としてでも帰らねぇと・・。

立ち上がったものの、
  今、崩した壁にすら、傷む足を蹴り上げ、登れる自信は・・ない・・。

・・・が・・・

ーなんとしても帰ってやる。

意地のように唇を噛みしめると、
   痛みを身を縮めるほど寒く感じさせる風にすら、
        八つ当たりするかのように睨みつけたジェシン・・。

痛む足を立ち上げると、
   頼りなく簡単に崩れそうなその塀に手をかけ、ゆっくりと全身を立たせた。

~~
その胸に・・
  一人の儒生服の姿の男が・・映った・・。

男の中で並ぶとひときわ小さく、
   その顔も、手も、
      足も、比べものにならないほど、小さい一人の男・・。

なのにもかかわらず、
  その男の肝っ玉だけは、天下一品、他の誰よりもでかく・・

意識せずとも、肝っ玉の大きさでは自分に叶うものはいないと思ってきたジェシンですら、
   その肝っ玉には、一目置いてしまうほどだった。

そんな彼のあだ名も・・『大物(テムル)』

まぁ・・災難なことに、
その名はさっき思い浮かべた『へらへらと調子のいい派手好きお祭り男』に気に入られ、
    違った意味を含め、つけられてしまったものだが・・・

テムル・・仮の名を、キム・ユンシクと、言った。

~~
「・・はぁ・・。」

足の痛みに、時間をつぶすことを余儀なくされたジェシンが・・
   真っ白な息を深く吐くと・・
    息は、暗い中、ぼんやりとうっすら伸びては、月の光の下、消えていった。

何度もそういう息を吐き、
  明るい月を見上げ、傍にあった大きな木に、背をもたれかからせたジェシン・・。
~~
仮の名・・
 そう・・彼には、別の名も、あるはずだった・・・。

ちらりと・・
  こっちに向かって手巾を差し出した娘を・・思い出したジェシン。

『彼』と、その娘は・・・
    まったく同じ顔で・・
 同じ・・真っ直ぐな大きな瞳・・
   同じ、話す度、開く、ふっくらとした唇・・
       
 完全に・・同一人物だったのだ・・。

成均館にソイツが入って来てから・・
    ジェシンの生活が、一変した。

肝っ玉は大きいくせに、
  やることは不器用で、一生懸命で・・     
(やることは不器用→女人の身体だからね。力が違って・・)
     どうしても気にかかる・・キム・ユンシク・・テムル・・。

今夜の月の明るさが・・
   同室である、キム・ユンシクの綺麗な横顔を映し出したときを思い出し・・・

『テムル』としか、呼べないジェシンの心が、
    ジェシンに、彼女のもう一つの名前・・を、口に出してみたくさせた・・。

ーアイツは・・
  アイツはもう・・知っている・・のか・・?

 その、彼・・いや、
     彼女の、本当の、名を・・。

アイツ・・
  テムルを思い浮かべると必ず、傍にいる、もう一人、凛とした佇まいの、儒生・・。

ずっと憎んできた老論の息子で・・
  ソイツ自身は、憎たらしいほど真面目で、何をするのも手を抜くことのない・・
     まっすぐな男。

そしていつも彼女の・・目の先にいる・・ソイツ。

が・・浮かんだ時・・
 ジェシンの胸が、
   ぎゅっと締め付けられたように、少しだけ、痛んだ・・。

ジェシンのぼぉっと・・細めた目の先で映る彼女の目はいつだって・・
   別な方を向き・・
 その目が誰を追っているのかなど・・とうに知ってしまっていたから・・。

~~

月の光が明るい夜には・・
  ジェシンは同室のユンシクの顔が見れず・・
      不機嫌を装って、顔を、逸らす。

だがユンシクから目をそらすと嫌でも目に入ってしまう、
   もう一人の同室生、イ・ソンジュン・・。

ちらり・・ちらりと・・
  本を見たふりをしつつ、
       その目をソンジュンへと、向けるユンシクの視線に気づくと・・

「・・・・。」

唇を尖らせ、
  つい、バカみたいに初々しい(?)そんな奴の視線の先を追ってしまう・・ジェシン。

ソンジュンも、ユンシクの自分への視線に気づくと、
 少しだけ、照れたように笑いつつ、本を捲る手を止め、
   分からないところでもあるのかと、優しく目を開いて、ユンシクへと微笑み返す・・。  
 (あの合宿の後くらいでしょうかね☆)

~~
ー・・・け。
   あほらしい。

同室にいると、そんな様子が、見えてしまうのだ・・。

  嫌でも。              

本当なら、帰りたくはない。

いや、元々、桀騖(コロ;暴れ馬)とあだ名のついたムン・ジェシン、
  人間の手に負えないとばかりにつけられたその名の通り、
   外出をした日に、成均館の部屋に帰るということすら、
          いままでは考えられないことでもあった・・。

だが・・
  そんな中、足を痛めてまでも、帰ろうとするのは・・・

ジェシンも、考えたくもないのだが・・
   それでいて、隠しようもない・・

あの狭い部屋に・・
   キム・ユンシクと布団を並べて敷くイ・ソンジュンの姿を想像するだけで・・

腹が立つのだ。

腹が立って・・
  それでいて・・いてもたってもいられない。

アイツらが、あの部屋で、二人で眠ること・・
     それが、なぜだか考えるだけで胸糞が悪く、許せないのだ。

「つつ・・

   いって・・」

それがなぜか・・など・・
   考えたくもないアイツのための詩が頭に増えるたび・・
          思い知らされていた・・。

少しだけ、そうして月明かりの下、月を見上げて座っていたが、
  そう考えるなり、時間が過ぎてないうちにも関わらず、腰を上げたジェシン。

「・・てて・・」
そんな自分に、自嘲気味に笑いながらも、
   口を覆う様にまた、黒巾で覆うと、

     どうにか立ち上がる脚を押さえつつ、
        壁に手をかけると、
ど・・

   ざっ!!!!!

低くなった塀の部分へと手をかけ、
    勢いよく飛び上がって登った。

その・・・とき・・

「ねぇ!アナタ!
   今、あっちの屋根から落ちてきたヒト・・でしょう?」

高くて幼い声が聞こえ・・

 ぎっく・・一瞬、塀に上がったジェシンの身体が、固まった・・。

その背にある矢へと、ゆっくりと・・さり気なく手を伸ばしつつ、
     くるりと顔だけ、振り返ったジェシン・・。

どくんどくんどくん・・
   ジェシンの心臓が・・鳴った・・。

今、ヒトを呼ばれたら、
   さっきまで追われていた捕盗庁の奴らがここに戻るのは、
     そう時間はかからないだろう・・。

それに加えてこの脚・・

「・・・・・。」
ジェシンは目を細め、
  月明かりから塀の影に隠れるように、立った人物の姿を、目に捉えようとした・・その時・・

「うわぁ☆ホン・ギルドン?」

間の抜けた声が聞こえ・・

「は?」

・・・考えるよりも先に、
   間抜けなジェシンの声が、漏れた・・。

「本物・・ですか?」
おずおずと、後ろから聞こえる声・・

ー・・・ガキ・・か?
  声の音、聞き方、その陰になった姿から、そう読み取ったジェシン・・。

ー・・・洪吉童(ホン・ギルドン)?

思わず・・頭の中で繰り返したジェシンに・・

「うち・・何もないんだけど・・・」
と、塀の下、なぜか、月明かりを背に、真っ黒に見えるジェシンを、
   おろおろと見上げたその娘・・。

ホン・ギルドンとは、・・文人ホ・ジュンの書いた小説『洪吉童伝』の主人公。
 小説を通じて、社会や政治に対する不満を・不信を描いたような痛快な物語である。

ー俺がホン・ギルドンだと?

という言葉が、口の中で呟かれたが・・

考える前に、たたたたたっと、走り去ってしまったその娘・・

「・・・!!?」
一瞬・・
  人を呼びに行くのかと、身構えたが・・

すぐに、戻ってくるなり、
  はぁ・・はぁ・・
   息を切らせた娘。

「これ・・・」

そういうなり、
 小さなきらりと月明かりに光る光沢をもった箱を持ち、
     ジェシンの方へと手を伸ばした。

「・・・・・・?」

それに、手を伸ばすこともなく、ただ黙って見下ろしたままの・・ジェシン。

「・・これっ!

 うちには何もないんだけど・・
   どこかの貧しい人たちに分けてもらえるなら・・・」



手を伸ばしてくれないジェシンの方に、
   背伸びして必死に渡そうとする娘を見て・・

つい、それに手を伸ばすと・・
 そこには・・・
   ジェシンの実家では珍しくもなかったが、
      一般の庶民では手も入ることのないような唐の菓子が、いくつかだけ、入っていた。

「おい・・。

   なんだこれは?」
ジェシンが聞いた。

その声が、怖かったのか、びくっと身体を揺らせた娘・・。

そんな様子に、声を少しだけ・・
  ほんの少しだけ、和らげると、

「それに俺は盗みはやらん。」

やや乱暴に手を伸ばすと、
  娘の手に押し返したジェシン。

「・・・!!」
娘がそれを思わず受け取った。

「貧しい奴らに配りたいのなら、自分でやれ。

   人に頼るな。」

そんな娘から目をそらすと、
   容赦のない無愛想な口調で・・そういったジェシン。

「ご・・ご・・ごめんなさい!!!
  つい、本物のホン・ギルドン様に出会えたのかと嬉しくなってしまって・・

   ・・そう・・ですよね・・

 ですが・・
  私はなかなか屋敷の外には出してもらえなくて・・どうしたら・・」

ジェシンの言葉を真に受けたらしい・・
   しゅんと肩を落とした娘が、箱を見つめながら、呟いた・・。

ジェシンが、口元の黒巾を鼻先まで上げると・・

  はぁ・・。

面倒臭そうに息を吐いた。

「頭を上げろ。」
  低い声で、言ったジェシン。

すっと、月明かりに照らされた丸い目を見つつ、
「なんで謝る?
 よく考えてみろ。
   お前は何も悪いことなんてしてないだろ?」
ジェシンの言葉に、
  娘は、ますますきょとんとジェシンを見つめた。

「俺はホン・ギルドンなんて小説の中の正義の味方でもないが、

   悪人でもない。

 ・・・まぁ・・こんな恰好でこんな夜中に現れてなんだが・・」
独り言のようにそういいながら、
    がしがしと頭を掻いたジェシン・・。

娘は、それでもまだ、まっすぐに、ジェシンの方を見上げている。

す・・。
ジェシンが、娘に返した箱から、一つだけ、菓子を指先で取った時、
        ジェシンの髪を包んで巻いた黒布が、風にはためいた。

とくん・・・

その、指先に挟まれた菓子を目で追う様に見つめた娘・・。

「腹が減ったからな。
  これだけは俺がもらっとくか・・・。」
呟くように言うと、
  ぽりぽりと・・鼻の下を掻いたジェシン・・。

まだ、目を上に上げながら、
    しゅんとした様子の娘を見ると・・

「だから・・・お前は悪くない。
  悪いとしたら、忍び込んだ俺だろ。

 なのに叫ぶどころかお前が謝るとは・・。

 すぐに謝るな。
   物の善悪関係なく、謝ることが癖になる。

 それに・・簡単に諦めようとするな。
   やってもみないで無理だと決めつけるのは、弱虫のすることだ。

 簡単に諦める癖がつくぞ。」

言い捨てるように、そう、言った。

その瞬間・・月の光が、
  今まで月を背にした影となって、影のように真っ黒だった男の目を、映し出した・・。

っどきん!!!!
「はっ! 

   はい!!!

 ごめんな・・・・っ!!!!」

言いかけて、
 はふっ!!!!!
慌てて口を両手で塞いだ少女・・

ジェシンの細められたその目が、
   小さな少女の目を捉え・・・

少女の目には、その男の隠れた口元が、
   黒巾の下、ほんの少しだけ、上がったように・・見えた・・。

った!

少女の目の前で・・
   塀の上から、隣の屋敷の屋根へと飛び上がったジェシン。


痛めた脚のため、
  少しだけ、着地が鈍ってしまった・・。

ふらっ!
 着地したジェシンの身体がほんの一瞬だけ、傾いた時・・

「・・・あ・・・」

少女が、小さくその様子に、
       声を上げた・・・。

とくとくとく・・・

少女の胸が、いやに速く動くのを、感じ、
    少女が小さな胸に、そっと手を当てた・・。

とくとくとくとく・・・。

不思議な感覚だった・・。
  今まで父親以外に怒られたことのなかった娘・・

だが・・

  父親よりも乱暴だった言葉は、
    なぜか、どこか・・胸の奥に染み入るように、すっと、入り込んだ・・。

生まれて初めて、
   父親や、屋敷で働く家人以外の男性と、口をきいた・・・。

だからだろうか・・。
  手に握りしめた、渡しそびれた箱を持って・・
     娘は、ぎゅっと、落ち着かない胸を、押さえつけた・・。
~~
何とか、まだ痛みの残る足を引きづって、
   ようやく成均館の敷地の中まで戻ってきたジェシン・・。

門の近くの茂みで、急いで隠していた元の服へと着替えると・・

ころん。
  黒装束から転げ落ちた菓子を、拾い上げた。

「・・・・・。」

じっと、
  指につまんだその菓子を見たジェシン・・

ーまだ・・十にもならない程の・・娘か・・・。  (いやいやいやいや・・13年言うてましたよ★)

ふと、さっき見た娘を思い出すと・・

世の風潮を皮肉るようにして、
  その中で弱小の民の為に活躍する主人公を
    小説にした、『ホン・ギルドン』

と、

ただ、口のない柵だらけの世の中に嫌気がさし、
  社会・世の中・ひいては朝廷までも批判する文を貼る、
     紅壁書(ホンビョクソ)・・

に、口を緩めて、可笑しそうに、顎先を、手でさすった。

昔、世話してくれていた祖父が読んでくれるのは、ほとんどが詩文だったが・・
 この、小説『洪吉童伝』だけは、ハングルで書かれたものにも関わらず、
     口うるさい親父の目を盗んで、読み聞かせてくれた。      

(両班は、文字としては漢文だけを学びます。
 ハングルは、それができて以来、主に女や中民・庶民
 (とはいっても庶民もほとんど文字はよめないものも多かった時代ですが)
 が、使っていたといいます。
 なので、オクセジャの世子イ・ガク他三銃士も、ハングルよめませんでしたよね(笑))

少しだけ、祖父の膝の上、あの頃胸を躍らせたことを思い出すと・・
  その菓子をご機嫌な目で見ながら、呟いた・・。

「・・・・変なガキ・・。」

痛む足を・・引きづりながらなんとか中二房へと戻ったジェシン。
   まだ・・灯りがついていることに少しその目を驚かせたが・・

す・・・。
その扉を開けると・・

ソンジュンだけが、奥に布団を敷いて横になっており・・
何かまた、小遣い稼ぎの内職でもしていたのだろう・・
 ユンシクだけが、  
   机の上に灯りを灯したまま、
      顔を突っ伏して、 眠っているのが、目に入った・・。

ー・・・ったく・・。

呆れたように取り繕った表情は少しだけ・・緩んでおり・・
 痛む足を上げて部屋に入ると、
    ソンジュンの布団を脚で壁際へと押し寄せ・・

  それから・・・

静かに二枚、布団を敷いてやった・・。

いつも、取り合って真ん中に眠らせていたユンシクを、
   今日は自分だけの横・・扉側へと寝かせようかと思ったが・・

ふと、すっかり眠ったユンシクを抱き上げたとき・・

ぴくりとユンシクのきれいな眉間が動き、
  ふるっ・・
 寒いかのように、ジェシンの腕の中、その身を固めた。

外の冷たい空気がジェシンの韓服をも冷たく冷やしていることに気づくと、
  唇を尖らせつつ・・

さらに、奥へと押しのけたソンジュンとの布団に脚で隙間を作り、           (笑)
  ソンジュンと、自身の布団の間へと、
     そっと横たえた・・。

ごろ。

 ユンシクの隣に敷いた布団に寝ころんだ瞬間・・

ひ・・く。
 つい・・意識すると出てしまうしゃっくりに・・

そういえばさっきの小さな娘には出なかったことを思い出すと、
  小首をかしげつつ、 
   鼻先を指でこすった。

ほどよく落ちてくる目の奥・・
   もう、覚えてもいない娘の顔だったが・・

『ホン・ギルドン』・・昔・・憧れたその物語を思い出し・・
   眠ったコロの口の端が、珍しく・・少しだけ、上がった・・。
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
1話です(笑)
出会い編・・・ですが・・・
  完全な、のあの妄想劇(笑)
楽しんでいただけたら、何よりです♪


スポンサーサイト


もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  • 【#第5話。あふれ出てしまった気持ち(下)】へ
  • 【☆短編妄想劇☆番外編『背伸び・・して測る恋』(コロ&パン・ダウンの、お話)2(再会~変な縁)】へ
  • Tag List 
  •  * |

~ Comment ~

更新ありがとうございます♪♪

のあさんのお話のコロ&ダウンちゃんが大好きなので、リメイク嬉しいです(*^o^*)

こんな劇的な出会いに、まったく臆する事なく、
「ホンギルドン様!」
…と、喜んでしまうダウンちゃん(^w^)
まだまだ少女で、幼くて可愛い(^w^)

コロに恋して、どう変わっていくのでしょうか?
最終回にはグッと大人の女性に変身してたりして!?

2人の恋路も気になりますが、ダウンちゃんの成長も楽しみです(^w^)

素敵なリメイクをありがとうございましたm(_ _)m

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

楽しみにしてます!!!

楽しみにしてました♪ (^_^)

何度読んでも、ダウンちゃんの生まれた時のところは心が、ほわっと♪あたたかくなる感覚がします。( ´艸`)

『考えたくもないアイツのための詩‥‥思い知らされていた‥』のところは切ないですね‥(´ー`) 

コロとダウンちゃんのお話☆また楽しみにしてます!!!

更新ありがとうございます!(○´∀`○)

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。
  • 【#第5話。あふれ出てしまった気持ち(下)】へ
  • 【☆短編妄想劇☆番外編『背伸び・・して測る恋』(コロ&パン・ダウンの、お話)2(再会~変な縁)】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。