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*番外編☆短編~カン・シヌのお話

*番外編『曇り、ときどき晴れもよう』1

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~A.N.JELLの巨大ポスターが貼られ、
    煌々と画面の変わる、電飾看板が一面に飾り付けられた舞台・・~

がたがたと、
  あちこちにスタッフ証を首からぶら下げた人々が、動き回る・・。

「これ、そっち持ってって~」
あちらこちらから飛び交う声の中、同じように出された指示の声に・・

「あ!

   はいっ!!!」
返事をすると、すぐに駆け付けた一人の少女・・。


「これと、これと・・・

   それにこれを・・

 Bスタまで。」
番組の台本を丸めて持った強面の現場スタッフがそう言うと・・

「・・・・・。」
思わず、言葉を失ってしまった・・。

だって・・そのスタッフは・・
   私が女だということには全く、遠慮も配慮もない量に積み上げられた
       段ボールを指差したから・・・。

「あ・・。

   は・・はい。」

慌てて我に返ると、
    とりあえず返事をしておいた・・。

すると、無常というかなんというか・・
 何も気に掛けるでもなく、忙しそうに次の場所へと指示をだしに行ったその強面のスタッフ・・。

一瞬・・
  持てるだろうかという不安が頭をよぎったが・・

そんな大それたこと、この慌ただしく皆が動きまわる現場で言えるはずもなく・・
   それに・・問題を起こせばすぐどうなるかは目に見えているので・・

 すぐに、
   その荷物に手をかけると

「・・・んしょっ!!!!!」

思い切り持ち・・あげ・・た。

ーお・・重・・・!!!!!!

少女の大きな目が、
   ぎゅっと閉じられた。
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

*番外編

    曇り、ときどき晴れもよう

*今までと違って、これはシヌの、お話です。
 今まで何度も描いてほしいと言われてきましたが、描く予定もなかった、シヌのその後の、お話。

あくまでのあの小箱なので、みなさんがすでに他の方のお話などで、イメージを
持たれている場合、スルーしてください(笑)

▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

ただ、何もない時間に、
   ぐいっと空を見上げるのが、好きだった。

『何もない時間』とは言え、
   『何でもないとき』に、見上げるのではない。

見上げるのは、
   必ず何かあったとき・・だ。

だけど、そんな時・・
  ふと、追われた時間や、
    悩んでいることをすべて、投げ捨てて、
たとえ一瞬だけでも
 ぐいっと顔を上に向けて、
    まっすぐに、空を見上げると・・

道の先すら見えない都会のど真ん中でさえ、
    顔さえあげればどこまでも続く空が見える。

じっと
   じっと

そんな空を見ていると・・・

なぜだかふわふわと足元が浮いた気がして・・

それから、
  空の下の自分が、小さな小さな存在な気がして・・・

そしたら、こんな小さな自分の悩みも、
   小さくて、広い空に吸い込まれちゃう気がして・・・

それで、
  いつも、元気になった。

ゴールがない・・なんてことは、
   ない気になれるから。
『絶対』なんて、
  どこにもないって、気になれるから・・・。

上にも自由で、横にも自由で、
   360°どこに浮かんでも自由な空を見上げると、
       いつも、頑張る気になれた。

でも・・空だって毎日違って・・
  晴れた日もあって、
    曇りの日もあって・・

それから、
  雨の日もある。

晴れた日でも雲の形が違ったり、
  青空の色が違ったり・・。

曇りの日も雲がとても厚くてどこか、
   地球に蓋をされたみたいに窮屈に感じる日もあるし、
 
雨の日の雨粒は、 
   大きさも、降ってくる感覚も、においも、全部違う・・・

時として、
  見上げた方が、気分が悲しくなっちゃう日もあるけれど・・

それでも、
  空を見るのが、好きだった。

今の私は・・・
  
  今の私を空に例えるなら・・・

~~
ーよ・・いしょ・・

   ん・・・しょ・・・

ーお・・重・・・すぎるでしょ・・これ!!!
    一体何が入ってるの~~?!

あまりの重さに、足は前に出すのも一苦労だし、
   何より、段ボールが小柄な身体には大きすぎ、
      何とか回して持った腕が、震えてしまう・・。
        支える腕も指先も、ちぎれそうに痛かった。

半ば、泣きそうになりながらも、
  意地でもその段ボールを放すことなく、細い腕で力いっぱい持ち上げながら運ぶ少女・・。


てきぱきと動き回る現場スタッフの中では一番のしたっぱで、
                  常に何か失敗してしまう自分・・

そんな自分に何か、できることがあるとしたらそれは・・

『言われたことを精一杯する。』

それ、だけなのだ。

ーむんっ!!!!
 じんじんと痺れてきた腕に、さらに力を入れると・・
    全く見えない前にむかって、Bスタジオまで、自分の勘だけを頼りに、
       よろよろと、歩いた。       (危ないなぁ・・(;^_^A)
一歩・・
  一歩・・・

小さなスニーカーが、
   何とか前へ、
     前へと進む・・。

よろり・・  
  よろり・・・


そんな時、
『もうすぐA.N.JELLがここに到着するらしいー』
その言葉が所々から聞こえると、
   撮影の時間が限られるため、現場はさらに、慌ただしく動き始めた。


ー大変!
   私も急がなきゃ!!!

ぱたぱたと、
   ・・・なんとか本人は足を急かせようとするものの、

よい・・しょ。
   よい・・・っしょ!!!
段ボールで顔も隠れるくらいの小さな身体は
          全然、思うようには進まない。

前に進んでいるのか
   ふらついているだけなのか、
       周りからは区別もつかない。

慌ただしい現場では、この段ボール少女の存在は、
      全く、そこにいないかのように、
  その廊下を背の高い何人ものスタッフが、この少女を避けながら、走りぬけて行った。

ばっ!!!!
 大きな男のスタッフが通り抜けると、

「わっ!!!!・・す・・すみません~~~~!!!!

   ととと・・。

 ひゃ!!・・とっと・・・

   ごめんなさいっ!!!!!!」

その度に、その少女は、見えない相手に向かって、よろけつつ、
    謝りつつ・・前に進む・・。

暑くもないのに、じんわりと額には汗が浮かび・・
   さっきまで、じんじんきんきんと痛かった腕は、
     段々痛みすら麻痺する程、
        重く感覚が鈍くなっていった・・。


ーん・・
  あと・・もうちょっとなんだけど・・・
 
 ちょっとでも速く行って、速く戻らなきゃ。
   でないと、また怒鳴られてしまう・・

怒鳴られてしまうこと自体は、自分が悪いので何とも言えないのだけど・・

現場で働く皆に迷惑をかけるだけで、全く役に立てないことが、
        何よりもその胸を、痛くした。

Bスタジオまでは、
  後、今差し掛かろうとしている廊下のその角を曲がって、
          最後で究極の難関・・階段を上がるだけになった・・。

ぎゅ。
 っと・・
  その手に力を入れた瞬間・・

「っきゃ!!!!!!!」

   「っわ!!!!!!!!!!!」      (まさに王道?(笑))

どんっ!!!!!

誰かが少女の抱えた段ボールに思い切りぶつかってきて・・
     小さな身体が、一気に重い荷物とともに、吹っ飛んだ。

「ってぇなぁ!!!!

   またお前かよ!!急げよ!!!」

同じく、ぶつかったことで膝をついたスタッフ仲間の一人が、
 ぶつかったにも関わらずそう言葉をぶつけると、
   慌ててまた、立ち去って行った。

「す・・・すみま・・せ・・」

どうやらもう本当にA.N.JELLが到着するのだろう・・
  いや、したのかもしれない・・

とにかく、一刻も早く撮影準備を終えて万全の態勢を整えなければ・・
   売れっ子アイドルA.N.JELLのスケジュールは分単位で動く。

その上あちこちの撮影を抱えていたりもするから、
  時間通りに行うことが、絶対条件なのだ。

「・・・・。」
しゃがんでいる場合ではない。
  急がないと・・。

そう・・思うのに・・・

じわりと・・

  目に、涙が浮かびそうになった・・。

ー何やってんだろ・・私・・
   いつもいつも大事な時に何もできなくて・・

唇を噛みしめて涙を止めると、 
  慌てて、一番上に抱いていた段ボールからばら撒かれた品々を
      拾い始めた・・。

~~
ー撮影などで動く現場スタッフの仕事を始めたのは、
    特に、だれか好きな芸能人がいるからではなかった。

 むしろ、日ごろテレビを見ない私には誰が誰かも分からず、
   ただいつも、顔が人の半分だとか、
    背が高くって、そんなに高いところから毎日見下ろす生活って、どんなだろうとか・・
 そんなことばかり、感じるくらいだった。

 芸能人に詳しくもない私が、ここで今、こうしているわけは・・・、

 ただ、『夢を売る仕事』をされているいろんな芸能人の方々の
           ちょっとでも、力になれればと思ったから・・。

 『夢』と聞かれても、ぴんとこない自分にとって、
    『夢』を売る人たちがいるのなら、何かその傍で、手伝えたらいいなと、

 単純に、そう思ったから・・。

なのに、甘かった。

世間知らずで、
  今まで何もしてこなかったことも手伝ってか、

手伝えるどころか、
  現場のスタッフたちに迷惑ばかりかける日々・・・

ーこれじゃぁ、なんにも変らない・・

 どこにいっても中途半端で、
     ただ、そこにいるだけの何もできない自分と・・。
~~ 

零れ落ちた荷物に手を伸ばし、
  そのうちの一つを掴んだとき、

 ぎゅ・・。
  その掴む手に、力が入った・・・。

俯いて唇を噛みしめた少女・・
   思わず零れ落ちそうになる涙が悔しくて、
     絶対に泣くものかと、改めて決意した・・

・・・その時・・・

「大丈夫?」
優しげな声が聞こえ・・

ふわりと、
   目を上げた・・。

金色の髪に、
   黒縁の大きなメガネの細型の男の子・・

「ったく!!
   ひっどいこと言うよね~!!!!

  自分からぶつかっておいて。」
そう、自分の代わりにぶつぶつと文句を言いながら、

「・・・・。」
気づけば、
  呆然と、その可愛い男の子を見ている間に、
      その子がてきぱきと、広がったモノを一緒に拾ってくれた。

「っ!!!!!」
かぁぁぁぁ・・・
   顔に思い切り熱を感じると・・

ー恥ずかしい!!!!
顔を見られぬよう目を伏せ、
「あ・・ありがとうございます!!!!

  あの!大丈夫ですから!!」
これ以上迷惑にならないよう、
   慌ててそういって、自分で拾おうとスピードを上げたが・・

っ・・・

もう一つ、綺麗な指先の、手が、
  まさに今、自分が拾い上げようとしたモノを拾い上げるのを見て・・・

また、少女の大きな黒い目が、
    そのモノを見上げるのと同時に、
          そのヒトの顔へと、向かって上がった・・・

と・・・くん・・・。

大きな目が開かれたまま、
   その、顔を、眺めた。


ーん?

  なんだろ・・・

胸が急にきゅんと締め付けられた気がして・・
  慌ててそっと胸元に手を置いた少女・・

その人は、光ったメガネに隠れて、その目の奥が見えなかった・・
  それに、表情もよく、見えなかった。

でも、その人が、いつの間に拾ったのか、

  ばらばらばら・・

一気に段ボールの中へと、物を入れてくれた。

「あ・・ありが・・

  や・あの・・
    すみません!!!!!!」

一気に止まっていた空気が流れ始め、
   ようやく我に返ると、顔に上がった熱がさらに上がって、
     額に浮かんだ汗がますます出てきそうで、
       それ以上は、顔を見ることができなかった・・。

「いいけど・・

   大丈夫?」

その人の声にも関わらず、頷きながら
    慌ててその段ボールを持ち上げようとしたけど・・

!!???

ーいたっ!!!!!

  足首!!!!痛すぎるっ!!!!!

目の前が、真っ青になった。

それに、
   なによりここから消えることができないことも、恥ずかしかった・・。

「あの、大丈夫なのでもう行ってください!!!
   もうすぐA.N.JELLの皆さんも到着されるようですし!!!!」
うつむいた少女が
  段ボールを置いてそう言うと・・・

「・・・・・。」
  「・・・・・。」
二人の男性は、
   きょとんと目を合わせた・・。

「・・やっぱり・・ 

   ひとつづつ運ぼうかな。・・・へへ。そうしたら大丈夫なんで。。。」

醜態をさらさないよう、
    目を逸らしてなんでもないふりをした後、そう、独り言のように言った少女・・。

その二人に背を向け、
    ちょこんとしゃがんで座りこむと、

彼らが去るまで、
    確認する振りをすることにした。

「どした??」

背中の向こうで新しい、陽気そうな男の人の声が聞こえ・・
それに、
「なんだよ?
  まだここにいたのか?」

低い声も、続いて近づいてくるのが 聞こえる・・

ーもうこれ以上増えないで!!!

  はやく言っちゃってよ~~~~!!!!!         (笑)めちゃめちゃわかる(笑)

ひたすら商品を確認するふりをしながらそう願うと、
   目を閉じつつ、唇をきゅっとつぐんだ。

「あぁ・・ヒョン・・!
  大きな荷物運んだこの子に誰かぶつかって・・

 そのまま放置したんだ!

   ったく。礼儀もしらない奴もいるもんだ。

 同じ男として情けないね!!」

金髪の・・
   ジェルミがそう憤慨して言うと、

「ふぅん?」
明るい声・・ミナムが覗き込むようにして、
      ちんまりとした背中のその女の子を見た。

「それはそうと、
   おい。時間押してるんだぞ!」

テギョンが腕時計を見つつ言ったとき・・  (ほんとにテギョンはミニョ以外には気を使わない)

「ちょっとだけ!
   手伝ってやろうよ?」

ジェルミが言った。

ーえ~~っ!!

  いいですいいです!!!!                        (笑)

 なるべく人様に迷惑はかけたくないんですっ・・・

背を向けたまま、静かに俯いていた少女が、
  その顔を上げた。

「あのっ!! 
   急いでいらっしゃるようなので、本当に結構です!!!

 お気遣いいただき、ありがとうございました!!」

そう、背を向けたまま言ったその女の子・・

シヌが、
   じっと、その少女の背中を見ていたと思ったが・・

「そうだな。

  確かに時間がない。
 行こう。俺たちがいても迷惑だ。」

そう言うなり、メンバーの背中を押した・・。

「ちょ・・

  ちょっと待て!!!
     顔だけでも・・・」
小声でそういうと、
   まだ、首を伸ばして後ろを向いたミナムの頬を
           無表情に掌でぐいと押すと、
    シヌは、なんだなんだと騒ぐメンバーを角まで、ひとまとめにして、押して歩いた・・。

ぞろぞろと、
  少し先まで歩いたメンバーたち・・

ふと、
  ジェルミが振り返ると・・背を押していたはずのシヌの姿がなく・・・

「・・・・??」
 「・・・・。」
   「・・・・・。」    (テギョンは間に合えばどうでもいい感じ・・?無表情的な・・(笑))

互いに、首をかしげつつも、
        脚は前に進めた。
 
~~
ばたばたと騒々しい足音が消えると・・

  ほっと・・息をついた女の子・・

ふと立ち上がろうとして、
  ずきんと痛む、足首を押さえた・・。

「った・・。

   なんでいつもこうなんだろ・・」

呟きながら、
   壁に手を当てつつ、ふらりとようやく立ち上がった時・・・

「やっぱり・・。

  足首、ひねったんだろ?」

さらりとそう、
   言う声が、聞こえた・・

っぎっくん!!!!!!

思い切り、目を見開いた少女・・。

全員がもう行ったとばかり思っていたため、
   心臓が驚いて、一気にぎこちなく、飛び跳ねた。

「・・・・・。」
おそるおそる、肩をすくめて振り向いたとき・・

その眼鏡の男性が、手に持っていたA.N.JELLのサインのついた台本を
   乱暴に後ろポケットに突っ込むと、

すたすたとその子の前を横切り・・
   無断で、その段ボールを全部、持ち上げた。

「どこ?」
顔すら隠していた段ボールなのに、
    憎たらしくも、背の高いこの人だと、すっかり顔が出て、自分の顔も、見られている・・。

「え?」

そんなことを考えていたので、
    間の抜けた返事に、

「だから・・

  どこに運んだらいいんだ?これ。」

シヌがため息と同時に、言った・・

ーあ・・

  また・・呆れられちゃってる・・?

心臓が、不安にどきどきする・・

いつも、間の抜けた私は、 
   みんなに呆れられることが多いのを知っているから・・

ーだめだ。ここでまで、これ以上迷惑かけちゃ・・。

途端にくしゃりと萎んでしまった心臓・・
  
「あの・・
  すみません・・・ほんとに・・いいんです・・」

慌てて頭を下げると、
  遠慮から、そういってみたものの・・

「足そんなで、

   どうやって運ぶんだよ?

 これ、早く運ばないといけないんだろ?
 俺も急ぐ。
    だから、行先だけ教えて。」

きょろっと、丸い大きな目が、
    シヌを下から見上げた・・

思わず手を出してやりたくなる・・

   子犬の目・・

「・・・・・・。」

シヌが、一瞬じっと、そんな様子を見た後くすっと笑うと

「・・・・?」
意地を張るように、うつむいて、
   目だけを上げた少女に向かって・・

「じゃあ・・・
  これ。
 落ちそうだ。
    持ってついてきてくれ。」

そういって、
   自分の後ろポケットに入れた台本を、片手で手渡した。

「は・・はいっ!!」
慌てて台本を受け取った少女・・

「・・・・・。」
思わず手にしてしまった台本を見た後、
  先に歩き始めたその男の人を、そっと見上げてみた・・

自惚れでなかったら・・素直じゃない私への、
   優しい口実を作ってくれた・・ことが分かり・・


ーわぁ・・
  こんなにも優しい人・・いるんだ・・

つい、ぼぉっと、なりそうな頭を慌てて振ると、
「あのっ・・

  Bスタジオだと・・」

今更ながら、
   少し、彼の顔を見たくて下から覗きつつ、言ってみた。

「了解。」
彼がそれだけ返事すると・・

きゅんと、
  なぜだか胸が、鳴った。

「・・・・・。」
歩くと痛む足を引きずりながら彼の真後ろにつくと、
   ちょこっと、無意識に緩んでしまう口元を、手で隠した。

ー誰だろう?

  スタッフの人かな??

どきどきしながらついていくと・・

「ほら。

  扉っ!!!開けて!!!!」

あっという間に、目的地に、着いてしまった・・。
~~

どさ・・・。

  段ボールを、言われた場所にまで置いてくれたその男性・・

「・・・・・。」
目が離せなくて、
  台本を口先まで抱きしめつつ、見ていると・・

「ありがと。」

そういって、
  するっと、少女の手から台本を抜き去った。

「・・・あ・・」
はっと我に返った少女が慌てて目を外すと

ぽん。

台本で頭に一回、優しく触れてくれた。

どきどきどきどき・・・

胸の音が、どんどん早くなる・・・

「あ・・ありがとうはこちらの言うべきセリフで・・・

 ありがとうございましたっ!!!!!!」

照れくささを隠すように大きく頭を下げた少女・・

くくくくく・・・

その声に頭を上げると、
    楽しそうに、笑ったそのヒトが、見えた・・。



出て行こうとするその人を覗き見ていると・・

「あんた・・さ。

 ちびこいんだから、自分の許容範囲以上のものを、
     引き受けない方がいいよ?」

急に、そう、その人が言うから・・

ずく・・
  一瞬で、どきどき動いていた胸が、痛くなった・・。

ー分かっているのに・・
  誰よりも、分かっていることだから・・

しゅんと、
  一瞬で変わった女の子の顔に・・

「もっと誰かを頼ればいい。

  それで、自分のできることを、頑張ればいい。

 これもあれも頑張ろうとするから、
   無理が出るんじゃないか?

 ・・・これは俺の、経験からなんだけどな。」
男の人が、つづけた。

どっき・・・
  心臓の息が、吹き返した・・・。

ちらりと見上げた少女に、

「まず足の手当てをしろよ。
  ここまで来させて悪かったな。」

男の人はそれだけ言うと、
   自分の腕時計を確認するなり、軽い足取りで掛けていった。
~~
Bスタジオのロッカーの中には、
   簡単な応急処置用の道具が常備されている・・
~~
その人の言葉に・・・

・・・・とくん・・・

心臓が・・
  また・・動き始める・・・。

「あ・・りがとう・・ございました・・・。」

去っていった扉に向かって、
  それだけしか、口から出せなかったけど・・

去っていくその背中が目に焼き付いて、
            離れなかった・・・。

~~

ぱった・・

  ぱったぱったぱった・・・

痛めた足を引きづりながら、慌てて撮影現場にもどってきたその少女・・

すでに撮影が始まっていたそこは、
  一か所に、眩しいくらい明るく光が入っている他は、
      薄暗くなっている・・。

そのうす暗闇の中・・
   慌てて指示を受けた強面スタッフの元へと走ると・・

強面のスタッフの顔が、
   撮影の影、さらに強面に、固まった。

~~
「あ・・

  あの子・・・さっきの子じゃない?」

光の中、
   女性スタッフにより、顔に粉を叩かれているジェルミが言うと・・

「ん??

  どれだ??
 あぁ♪あの子がさっきの♪」
相当気になっていたのか、
  ミナムが声を弾ませながら、目をやると、シヌを横目でちらりと見た。

「・・・・・」
無言で、さっきのメガネは外し、
   髪もスタッフによってクールに立てられたシヌ・・   (クールにって(笑)死後?(笑))

シヌがその言葉に、
    まさに、怒られている真っ最中のその女の子の方を見ると・・


ぷっ・・

  誰にも見えないよう、顔を逸らしながら、笑った。

俯いたまま、何度も頷いては謝っている様子のその女の子・・。

どうやら、その子はシヌのことには気づいていない・・

まだ、自分の足の手当てすら行わないまま、
   言われた通りにスタジオ内のあちこちへと動きまわるそのちびから・・

撮影をしつつも、
   目が・・離せなかった・・。

~~
足はずきずきと痛むし、
   スタッフには、がみがみ怒られてしまっている・・。

さっきはあんなにも嬉しかった心臓も、
   急に萎んでしまった・・。

ー今の私は・・・
  
  今の私を空に例えるなら・・・
少女が思った・・。

ーやっぱり・・
   曇りだ・・。
 すぐに雨が降ってしまいそうな・・・。

ちらりと思ったが・・・
  隙間から見えた空からは、光が差し込んでいた・・。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

『曇り・・ときどき晴れ模様』
この後に続く、シヌと、この女の子の物語の、序章的お話です♪

楽しんでいただけたら嬉しいです♪
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~ Comment ~

いいいですね♪

リメイク前の『曇り‥』は可愛くて、きゅん♪とする印象のお話だったのですが、あらためて読ませていただいた、私の勝手な印象は、以前よりも、ミリちゃんが可愛らしいだけでなく、抱えている悩み‥というか、より、ミリちゃんを知ることができたようで、こういうのもいいなぁ‥と思いました!!!(●´∀`●) あと、心模様を空のお天気に例えるところとか、タイトルと絡めているようで、好きです!( ´艸`)

更新ありがとうございます!!!

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このコメントは管理人のみ閲覧できます

更新ありがとうございます♪♪

可愛いお話ですね(*^o^*)

…実はアメブロでは読んでなかったんですm(_ _)m
なんとなくシヌにはまだミニョを見ていて欲しかったので(^_^;)

人の気持ちに敏感で、さりげなく優しくできるシヌは素敵ですよね(^w^)
また頼りなげで、かまってあげたくなるような女の子が
シヌにはよく似合う!!

なんで今まで読まなかったのかと後悔してます(^w^)
お話の先を知らないので、続きを楽しみに待ってます。

NoTitle

こんにちは。
新しい話し楽しみです。
シヌさんには幸せになって貰いたい!
でもヨンファを知ってるだけに「クールに」って感じが笑えました。

あと周りのメンバーも(笑)
テギョンさん本当にミニョ意外興味が無いのね~(笑)

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