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#タムナ★本編『一緒がいい』

#第3話。新しい関係。。(前)

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「タムナ~Love The Island~」

一緒がいい
☆第3話。新しい関係。。



タムナの島全部を照らしていた陽が、一日の終わりを告げるように沈んでしまうと、
  空は、細かな星の光以外はなく、その光を残して、
   まるで疲れた島民を休ませるように、静かに周りを暗い闇で包んだ。

そんな闇に包まれた民家の一つ・・・。
   その中の、小さな部屋で・・

一人の娘が、小さく膝を抱えて顔を伏せていた。

~~
空が真っ黒になると、
  胸がざわざわして、落ち着けなくて・・。

それで、着古したチマ(スカート)の中、
   胸を押さえるように膝を揃え、
     その膝を包むよう腕を組んで、部屋の中、ちょこんと座ったボジン。

広がったチマの中の足の指先をもじもじと動かしていたが、
  それでもやっぱり、胸がざわざわするのは止められなくて・・

    ぺたぺたと、這うようにして手の平で、部屋の扉まで身体を伸ばすと・・

そぉ・・と、

   その扉を開いて、隙間から、その先を見た。


昼間の明るさの消えた庭が、
 真っ暗な中、幼いころから変わらない記憶通りに目に映る。

それから、その先に、
   明日の準備をしている母がいるのであろう、台所に続く、影が見えた。

影の隙間からはぼんやりと、火の灯りが、見える・・。

一応・・さっきまで、そこに自分もいたのだが、
   あくびをしたボジンに笑った母が、
        まだまだ子供扱いにも、ボジンを部屋へと帰したのだ。


ボジンの視線が・・
   その少し手前に移った。

気づけば、つい目が行ってしまう、一つの部屋・・。

閉じられた扉の隙間からは
   うっすらと、ろうそくの光る揺らめいた灯りが見える・・。

その扉に沿うように、部屋の中から漏れて見えた灯りに・・
    ボジンの眉が、きゅっと下がった・・。


さっき、ボジンがこの部屋まで戻ってくる時には
              その部屋は、真っ暗だった。

なのに今・・その時ついていなかった、灯りが
    ボジンの去った後見えたことに・・
          ボジンの胸が、ツキンと痛んだ。

傷を負ったまま・・
   ここにいられると知った時は、不安も全部なくなって、
            ただ、嬉しくて胸がきゅっとなった。
~~

どきどきどき・・・
ボジンの目のすぐ前に、
   キュの胸があった・・。

少しだけ、震えそうになる手で、
   大きく傷ついた胸元に、新しい包帯を巻きつけようと・・その手を背に回したボジン・・・

その時・・
「っい・・!」
    キュの顔が、苦痛にゆがんだ。

「わっ!!ごめんっ!!!
   痛かったっ!!???」
途端に、胸からぱっと顔を離すと、
          手を離そうとしたボジン・・

だが、ボジンの手が、布を離す前に、キュがその手を取り、
  ボジンの手に持たれた布ごと、握りしめると・・

「・・・・?」
見上げたボジンの目に、
    じっとボジンを見る、キュの切れ長の目が見えた・・。

「・・・・??」
じりっと胸がねじれるように感じて、なんだか居心地悪く、
   その手を離そうと引っ張ったボジン・・

・・が・・
  手はまだキュに掴まれたまま・・。

「・・・むぅ」
ボジンのぷっくりとした唇が、膨れ、
   キュを見上げた。

きゅ。
 それでも、離すどころか、ボジンの手を大きな掌で包むと、
   ボジンを見つめたままその手に力を込めたキュ・・

キュの目に、
  自分を大きな目でまっすぐに見上げる、唇を尖らせた子供のような娘が、 
     間近に映った。
大きくて、真ん丸な目。
   尖った小さな鼻。 
     小さく膨らせた、唇・・。

キュの目が、ほんの少しだけ細められ、
    やさしい弧を描いた。

ほんとにじっと・・
  キュのまっすぐな目が、ボジンに向けられると・・
「なな・・何さ?痛かったから自分でやるって?

 巻き直さなきゃ。
   自分でやるよりは痛くないだろ?」
ボジンがなぜだか落ち着かず、
     じっとしていられない雰囲気に我慢できなくなると、
       大きな目をきょときょとと泳がせながら、掴まれた手を振った・・・

ぷっ!!
  っはは!!!!

そんなボジンの様子を見て、
   突然噴出したキュ・・
「何よ?!
  痛さでおかしくなったのか?!

 もうっ
  じっとしてよ!
   怪我人なんだから。」
そう言いながら、
   にらみつけるようにキュを見上げたボジン。

「ははっ! 
   悪い悪い・・。

 お前はどんな顔だったかと思って・・。」
ようやく手を離しながら笑ったキュに・・

「はぁ?!」
素っ頓狂な声を上げたボジン・・。

だが、声と裏腹に、
  なぜだか胸は、どきどきと息苦しく暴れ出した。

キュは、顔を横に向けると、
  何やらまだ可笑しそうに笑っている・・。

そんな様子に、
  腹が立つやら・・

・・・・どきどきするやら・・・。

ーいる・・。
ボジンが、ぎゅっと布を握りしめた。

ーここに、いる・・。
「次に変なこと言ったら、
   思いっきり、締めるからね!!!!」

ボジンが睨むと、
「分かった分かったから!!
   そう怖い顔で睨むな!!」

キュはそう言って、手で参ったとばかり前に出すと、
   ボジンが巻き付けやすいよう座りなおした。

それから顔を横に向け、
  今度は、ボジンが背に布を巻きつけても、微動だにしなかった・・。
 
ーここに、いる。
胸に、また顔を近づけて、
   キュの背へと、布を回す・・。

とくとくという、速い鼓動が聞こえ・・
   キュののどの音も、聞こえる・・。

ーここにいるんだ・・。

キュの包帯を巻き終えると、
   丁寧に縛り、何もなかったように、キュの目も見ずに終えたボジン・・。

「はい。できた。
   ゆっくり休んで、早く治すんだよ!?」
そっけなく、そう言った後、
   部屋を足早に出てしまうボジンだったが・・・

部屋から出ると、胸がとたんに溢れ出すようにどきどきとのど元近くまで暴れだし・・
   ボジンは胸を押さえると、キュの部屋の外で、うつむいたまま、じっと祈るように目を閉じた・・。

そんな様子を、
  扉の隙間から、見ていたキュ・・

キュの頬に、切ない笑みが浮かび・・
   それから今巻き付けてもらった包帯を数度、なでると、
     ゆっくりと、上衣に、腕を通した・・。

~~
灯りは確かに、キュの部屋の中から漏れていた。

  傷がまだ治っていないというのに、
    休暇だと言っていたのに・・

そんなキュに、ほとんど毎日届けられる巻物や、封書・・。
  それをどんなにボジンが怒っても、
        笑いながらも、読んだり書く事をやめはしないキュ。

ーさっきは消えてたのに・・。

ボジンがその唇を、寂しげに尖らせた。

キュの部屋の灯りは、
   さっき確かに消えていた。
~~
ボジンが母と台所に立ち、
   ふっと中の明かりの消える瞬間を見たボジン・・


なのに、
   ボジンが部屋へと戻ると同時に、恐らくキュが、つけたのだ・・。

ボジンだって、キュがどんなに忙しいのか、知っている・・。

   この島のことだって、

      あの事件のことだって・・

  ボジンの知らないところで、キュが動いているのを、知っている。

だけど・・
  その灯りを見ると、胸が痛くって・・

そこにいるのに、今にもいなくなってしまいそうな不安が消えなくて・・・。

見ていられなくって・・・
   ボジンはそっと、唇を尖らせると・・黙ったまま、扉を閉めた。
~~
ーパタム・・ 

 静かな・・澄んだ空気に、闇が飲み込まれてしまいそうな中・・
   扉の閉まる音が、
     巻物を置く台の上の紙に筆を滑らせるキュの耳に・・聞こえてきた。

「・・・・・。」
筆を持つ手を止めた・・キュ・・

ほんの少しだけ、目を扉へと、じっと向けた後・・
       その目でぐるりと、宙を見た。

はぁ・・。
  短い息を吐いた後は・・
    また、何もなかったかのようにして、筆をさらさらと、すべらせ続けた。
~~
翌日、新しい「済州牧使」として、
       パク・キュが、正式に就任する日が来た・・・。

キュを囲い、ボジンの家で宴を開くべく、
            集まった村の人々・・

「いや~~~!
  こんなに嬉しいことはない!!!

 今までの牧使(モクサ)様で、
      俺たちのことをちゃぁんと考えてくれた奴はいなかったからな!!!」

でっぷりと出た腹を短く切れた上服から出し、
      酒を片手に持ち上げた男の声によって、

わ~~~~~!!!!!

  わははははっ!!!!

    がははははっ!!!!

      男たちは大盛り上がり!!

一方、男たちとは別の机を囲んで、
    女たちも、それぞれ酒を持ちつつ、男より高い声を弾ませた。

そんな女の席から・・
   パチパチと・・なにやら視線を送る、目が見えた。

女達の席と、男たちの席・・
  そのちょうど真ん中に設けられた席に、
     この村ではお馴染みの役人や、キュ、それにキム吏房の席が、設けられていた。

そこへ各床へと料理の乗せられた皿を配るボジンが来ると、
   キム吏房が呼び寄せ、笑いながら手先でキュの隣となる席へと座らせた。

そんな様子を見ていた、ひとりの娘・・。

酒瓶を持った手を、ふっくらと持ち上げた唇まで持ってくると・・
  艶めかしく見つめた目で、目を付けた獲物が来るのを、ひたすら待った。

そしてようやく・・・
  ボジンと何やら話しかけるその、目当ての男の切れ長の美しい目が
               狙い通りに自分へと来るなり・・

 すすすすす・・

  その、お目当ての男の横の席までそっと移ったその一人の、大柄な娘・・。

その男の背にぴったりと張り付くようにして、
                ふっくらとした腰を落とした。

「本当にまだ・・・このままずっと・・
         パク・キュ様と一緒にいられるだなんて・・」
ようやく、男と目があったことで、
  堂々とそう言いながら・・その男・・
     そう、新しい済州牧使である、パク・キュの背中へと寄り添うようにして座りなおすと・・

    大きなチマの膨らんだ尻で、
       キュの後ろへと、ぐいぐいと責めながら座り込んだ、クップン・・

キュの後ろから、ボジンがそんなクップンを驚いた目で見た。

ぱちぱちぱち♪
  顔だけで振り返って肩の先で止めると、目を、素早く瞬いた彼女がそんなボジンは無視し・・

「もしかして、私のこと・・(やっぱり好き)?」

くふふふふ♪
  一人、顔をまた隠して含み笑いをしながらキュに聞いた後、
       今度は体ごとキュに向かって座りつつ、ひたすら、照れるように見つめて笑うクップン・・。

キュが、そんなクップンの尻に押されるように、
      やや顔を引きつらせながらも、クップンから遠ざかるよう、さり気なく腰を浮かせたが・・

その言葉が聞こえるなり、目を見開くと、
    首と、片手を慌てて振りながら周りを見回し、
     ボジンの座っている隣を見て、

      それから、ごっほん!!!!

          ん゛ん゛!!!!!!!!!

   クップンへと無言で抵抗するように、咳払い、して見せた。

「・・・・・。」
そんな困った様子のキュを見ながら、呆れ果て非難するような目をクップンへと向けたキム吏房・・
   だが、キュの背に隠れたクップンは、そんなキム吏房が見えるなり、
    細めて睨んだ目を向け、
       それからつんっ!と、そんなキム吏房の視線を払った。

つい、数時間前・・
  宴が始まってすぐに、クップンがパク・キュの横に座ろうとした時、
    このキム吏房がクップンを止めたのだ。

パク・キュの後ろから手をパク・キュの肩に回すと、  
 (両班の肩に手を回すなんて・・!!!なんてこと!!)
       パク・キュの横に座ったボジンへと挑戦的な目で、睨んだクップン・・・

「・・・・・。」
そんなクップンに・・
   ボジンは、不服そうに酒器を持ちつつも、
      唇を尖らせ、しゅんと俯きながらも、
          その様子をちらちらと、目の端だけで、見ていた。

この島では、クップンは、絶世の美女、この島の男たちの、憧れの娘、なのだ。

  それに対してボジンは・・
    別に、そんなこと、今更どうこう思っていたわけではない・・。

  だが、キュがボジンに対してしてきたように、
     今、この状況でも、邪険にクップンに対しては扱っていないのが、
      ただ、少しだけ・・いや、かなり、その胸をもやもやとさせたのだ。
(・・・いや・・十分、嫌な顔していると思いますが・・
  手でクップンから伸びてくる手を払ったり・・
     迫りくるクップンの尻から身を遠ざけたり・・)

パク・キュは・・といえば、
  元々出来た男だが、女の扱いに対しては、得意ではない。

・・・むしろ、漢陽においては、興味すらない。関わりがない。
 
近くにいたことはあっても
  (・・・『のあの小箱』をすでに知った方にはご存知、これから出てくる誰かさんのおかげで)
   キュ自身が相手にすらしたことがなかったので、
      女心というものを、学ぶ術がなかった。

 
そんなわけで、キュの隣で座っているボジンが今、
     俯いて酒の器に唇をつけつつも、その頬が膨らんでいる・・・
 ・・・なんて、様子にキュが気づくこともなければ、
      ましてやその原因が自分にあるなんてことも気付くはずもなく・・

適当に、クップンをあしらうと、
  纏わりつくクップンがそれなりの距離を保ったことだけに関心を置いたあと、

     吏房を含め、反対側に座る両班(ヤンバン)たちと何やら話しこんでいた。

ボジンの耳にも、
   クップンの耳にも、
     村人が聞いたとしても、その他の誰の耳にも、
       キュたちの話す内容は難しくて理解できることはなかったが・・

   ボジンの耳には「宮中」やら、「世子様」やら・・

         「清国」という言葉だけは、聞き取れて・・

また・・パク・キュだけが真っ暗な世界に
       遠く離れた、漢陽の地に
         行ってしまうような気がして・・・

ボジンの目の前が、くらりと揺れた気がした・・。
  胸が痛くて・・なぜだか苦しくて・・
    胸の奥に渦巻く不安という波に押されながらも・・
        胸をきゅっと握り締めたボジン・・・

すぐ隣にいるのに、
    まるで、手の届かない程、すでに遠くなってしまった人のような・・
       キュを、そっと、大きな目で見上げた。

どうも、途切れ途切れに聞く話では、
  ソリン事件の後、朝廷での政治も、
      漢陽の地も荒れていることに加えて、
  世子様のいらっしゃる清国への貢物の量を増やさねばならぬことになったと・・。

それに伴って、宮中での閣僚の意見が割れ、
   日に日にその不満は民をも巻き込み大きく膨れ上がっているらしい・・。


知識のないボジンとはいえ、
    ボジンも一介の、海女だ・・。

このタムナで生まれ、海女として、
   本土へと送る献上品が、どれだけ重要で、民にとっては負担かは、
              身をもって、知っていた・・。

(ドラマ内ストーリーで、進上牌(チンサンペ;減免の札)を無くして
      皆からすごく責められたりもしましたもんね)

このタムナの島とは、本土にとっては最終の流刑地・・
   つまり、最も重い罪の、流刑地・・

 であると共に、今の仁祖(インジョ)王が王となってからは、
     タムナの島からの出陸すらも禁止された、
         朝鮮であって、朝鮮でない、孤島となってしまったのだ。

日々、民が喘ぎ、納めてきた献上品・・
  それに加えて、本土から誰が官吏として派遣されてきたとしても、
     献上品を少なくする為の本土からの官吏への賄賂は変わらず、
         文句すら、言う手段すらなく、その賄賂がまた、民を重ねて苦しめてきた。

本土での、商団の様子も、身をもって知っていたボジン・・。

 今・・漢陽の方でも、大変だということは、
     なんとなく、その少しだけ分かる単語からでも、
         少しだけ聞き取れた情勢からでも、想像できた・・。

大きく、党派が揺れている・・と・・。
  ボジンには、なんのことだかさっぱりわからなかったが・・

それでまた、あの気難しそうな王様がお困りになり、
      度々激怒して周りに当り散らされている様子も、
        その、深刻さも・・

   横から見上げたキュの顔と、キム吏房の表情から、見て取れた・・。

キュの顔はまっすぐに両班たちだけに向けられ、
   隣にいるボジンには、一切目もくれない・・。

それだけ深刻で、
   それだけキュにとって重要な、話・・。

ここ、タムナの済州牧使となったところなのに・・
  漢陽の情勢はキュにとっても、他人事でも放っておけることでもなく・・


途端に、
  ボジンの胸が、矢が刺されたように、痛くなり・・・
     そっと、キュから目を離し、俯いたボジンは胸を押さえた・・。

ー新しく済州牧使になったばかりのキアンダリに・・
                なんでこんな話・・・。

 ただの情報・・というだけならいい・・。

   だけど・・・

  いつかまた・・
    キヤンダリが、漢陽に戻される日があるということなのだとしたら・・

そう、思うと・・
   ずきずきした胸が痛くて、次第に、俯いたボジンの顔は下がっていった。


さて、パク・キュの後ろに腰掛けたクップンはというと・・
  こんなにも真剣に二人が話しているというのに、全くそんな話は耳にも入らず、
    難しい話はつまらないとばかりに口を尖らせつつ、

  キュの後ろから、隙あらばと脚を見せ・・
         腕を伸ばし・・

徐々に、俯いていく、ボジンとの間に、
               侵入を図る・・。       
     (さすがタムナの女・・狙った獲物は・・・)

キム吏房が、ふと、そんなボジンとクップンに今更ながらに気づくと、
     すっと立ち上がってからクップンの前へと向かって歩いた。

そんなキム吏房の態度に、
   反抗気味に睨みつつもたじろぐように身をすくめたクップン・・。


キム吏房が、キュと、クップンの間に、腕を伸ばすと、
  さ・・。
    自身の懐から、閉じた扇で、その間を割った。             (ナイス)

ささ・・。
 ボジンがつい、そんな様子を目にした後に、
     キム吏房の視界から見えないように、キュの身体の後ろに隠れた。

が、ボジンには優しく笑うように目を細めたキム吏房・・。
 そっと、キュの後ろから顔を覗かせたボジンと目が合うなり、
    ばっ!!!
     慌ててもう一度、ボジンはキム吏房の視界から、消えた。

ふふっ

  そんなボジンの様子に、小さな笑みを漏らしたキム吏房・・

立ち上がったついでに、
「さて、夜も更けたことだし、私はこれで。。。」

そう言って、扇をひっこめると、
   パク・キュへと丁寧に挨拶をし、
           後ろへと、下がる様子を見せた・・。

それに対して慌てたボジン・・
 気まずそうにパク・キュの横からそっと顔を出すと、
                     ぺこりと挨拶をして見せた。

ところが・・・
  キム吏房の思いやりとは裏腹に、
「あぁ。明日からのこともあるし、私もそろそろ・・」
そういうなり、
    ボジンの隣でパク・キュが立ち上がったのには驚いて・・

「え!??キアンダリも?どっか行くの??」

ボジンが立ち上がったキュを見上げると、
           思わず大声で叫んでしまった。

その声に・・・
  わいわい騒いでいた周りの村人たちも、急に静まり、
   ボジンとパク・キュ、それに門へと向かう途中で立ち止まった、キム吏房を見た。

パク・キュはぱちくりとした目でボジンを見た後、
    静まった周囲に少しだけ驚いた目を向けると、
      片手を胸ちかくまで上げ、
           周りの者たちには、『続けてくれ』といったしぐさをした。

途端に、ざわめきの戻った村人たちの宴会の場。

そんなキュの様子にも関わらず、
    まだ、じっとキュをもの言いたげな様子で見上げたままのボジン。

ボジンの方へと顔を戻したキュに、
「これからもここで一緒に住むんじゃないの??」
そう、詰め寄ってきたボジンの顔は、今にも泣きそうで・・・
    
ぐいっ!!!
パク・キュを見上げると、
      その袖を少し乱暴に、引っぱって聞いた・・。

ちょうど、酒を家の中から盆に乗せて持ってきた母も、
 〝?”
 脚を止めて、皆の視線を集めた自分の娘の様子を、
             目を開いた驚いた目で、見た。

~~
居候生活が長かったせいもあり、
  まだ、傷は完全に癒えていないと、信じていたせいもあった。

本当は、キュの仕事、傷、
   その都度、不安になる胸を押さえ、覚悟、していたはずだったボジン・・

だけど、不安を持ちつつも、理由をつけてそれを見ないふりしては、
     「今」ある、ここでのこの生活が、
        ずっと続くと、どこかで思いたかったのかもしれない。

ボジンの胸が、ぎゅうっと、また、急に苦しくなった。

胸の奥が痛くて、
   暗くなる空が、怖いほどだった・・。


オホッ!!!
その時、村人たちが聞き耳を立てる様子に、
     キム吏房はそれを諌めるように咳ばらいをした。

そのあと、顔をボジンへと戻したキム吏房。
少し遠慮しつつ、
   だが、鎮めた声で、優しく・・はっきりと、

「今やパク・キュ様は・・・
    新しいお役目におつきになられたので・・・

 新しい、牧使としての屋敷に移られなければならんのです。

 ・・これは王命です。」
ボジンの目を見て、言った。

ー王命・・

誰一人、この世でその命に背くことのできるものなど、いないだろう・・。
  その命によって、賜った役職・・。

その言葉に、
   その、キム吏房の目に・・
ようやくはっと我にかえったボジン・・・。

「そっか。そうだよね!!

 怪我も治ったんだし・・・うんうん!!
    あんたは新しい仕事があるんだもんね!!」
大きな目をぱっちりとさせて、
    固まった笑顔のまま、精一杯明るくそう言うと、
      掴んでいた腕を、ぱっと離した。

それから・・
   最後に、パク・キュの背中をおどけて励ますように、
             ばんっ!勢いよく、叩いたボジン。

は・・ははは・・

周りを意識するように、
   ボジンが渇いた笑いをみせた・・。

「・・・・。」

ボジンの母、ジャムニョの目が細められ、
    物言わず・・ボジンを遠くから見つめる・・。

パク・キュはそんなボジンの顔に・・

「・・・・・・。」

 少しだけ驚いたような・・
      少しさびしそうな・・、

   それでいて、戸惑ったような顔をすると、

ちょうど、向かい側に酒をおいて腰掛け、
      こちらを心配そうに見ているボジンの母の元まで、
        ボジンの横を抜け、ゆっくりと歩くと・・
          ボジンを背に、ジャムニョの前まで来て立ち止まった。

それから、身を屈めてこそっと、
    ジャムニョへと、誰にも聞こえぬよう、何か耳打ちをする・・。

静まった村人達・・。

クップンですら、
   何を言っているのか、伸ばした首をかしげながら、キュの様子を見ていた・・。、

キュの方は向かず、
   立ち上がったそのまま、俯いて肩を落として見えるボジン・・。


パク・キュはそれから、
    門先でパク・キュ用の馬を準備し始めている役人たちに向かうと、 (よく出てきた下っ端2人)
      馬の背を撫でながら・・

「今日は歩いて帰りたい。
   このようなめでたい席だ。
    お前たちはもう少し楽しんでから、帰ってもよい。」

そう言うなり、
  何やら唖然と笑ってボジンとキュの方を交互に見る役人たちの手へと、手綱を渡した。


それから最後に・・・
  立ち上がったままのボジンへと目をやったキュ・・。

ザッザッザ・・
  キュの足が、そちらへと向かった。

~~
自分が帰ろうとしたキュを止めたはいいが・・
  今や役職まで偉くなってしまったキュがこんな家に居候するのも、考えてみれば・・
    いや、考えなくても、おかしな話だ・・・。

そんな考えなしな、浅はかな自分が妙に恥ずかしく・・・
    「え!??キアンダリも?どっか行くの??」
 そんな間抜けな質問をしてしまったボジンに対し、
     きょとんとした顔をしたキュも・・・
          わけもなく妙に腹立たしい・・。

胸が、ぞわぞわと騒ぐ。
  地面に足はついているのに、浮いているみたいで、
    胸も痛いし、
      キュの姿を見ようとするのも、つらかった。
~~
パク・キュを見ないように自分の足元を見ながら
     小さな子供が拗ねるように、足先で土をいじって遊んでいたボジン・・・。

ゆっくりと、
   キュが近寄っていった。

ぴたりと、脚で土を掘るボジンの足の前に、 
      キュの足が止まり、ボジンに、その足が見えた・・。

「・・・・・。」
黙ったまま、その大きな、キュの足を見たボジン。

人々は息を殺して、
    二人に興味津々の目を向けた・・・。     (田舎はおせっかい(笑))

ごほ・・。

  妙な雰囲気を作られると、なんとも自然には、言いづらいものだ・・。

    そういうところを察してくれてもいいものだが・・・
      キュが、そっと周りに視線を廻しても、

ごくり・・
  と息を飲むだけで、周りはキュの言葉を待っている・・。


ごほんっ!!!!
  もう一度だけ、意を決したように大きく、咳払いをすると、

「こんなに月の明るい夜だ。
            少し歩こう」

キュが、
  ボジンへと、言った。

「・・・・・っ!!!」

どっきん!!!!!
   深く沈んでいた胸が、思い切り跳ね・・・

下を向いていたボジンの目が、
    真上にある、キュの顔を見上げた。

ちらりと視線を右に移しても・・・

  くいくいっ!!顎で、「行け」と指示する物づくりのおじさんやら

    すでに、酒瓶を持ち上げつつ、
        からかうようににやけた顔を真っ赤に変えた村人たち・・

左を向いても・・・

「・・・・・・」
黙ったまま、大きな目を開いてボジンを見つめ返した・・母・・・

こく・・・
  ボジンがぎこちなく、頷くと・・

キュが、後ろに手を組んだまま、ゆっくりと門へと歩き出し始めた。

「・・・・・。」
そんな後ろ姿をぱちくりと瞬いた目で、見つめたボジン・・。

その距離が開く前に、
  思い切り目を見開いたクップンの方は見ないようにしながら・・・
      ボジンも少し戸惑った顔はしつつも、
        大股に歩く、脚の長くて速いキュの後ろ・・・

ちょこちょこちょこっ!!!
   置いていかれぬよう、慌てて、後ろからついて行った。
~~
ボジンとパク・キュのいなくなった宴は・・・
    一瞬にして、静寂が消え、今度は途端に大盛り上がり!!
「なんだ~~!!??
     ほんとに俺らのパク・キュ様はボジンにお熱なんか!??」

男たちは、酒瓶を振って笑いながらも、
        なぜボジンなのかがわからず、大笑い!
(ボジンの海に入るには大きい目、
     海女にしては華奢な身体はこの島では魅力ではないらしいんですよね~
 この島の美女の基準は、クップンが最高の、美女(笑))

その一方で・・
「うえぇ~~~~~~~!!!!」
母の胸に泣くクップン・・。

その周りには・・
       3人くらいの男が群がり・・

キュに、馬を任された一人の下っ端役人も含め・・

「ぉ前には俺がいるでねェか!!」
    と、これを機会にちやほやちやほや押して引いての男たちの愛の合戦に・・。

「やっぱりボジンとパク・キュ様が。。。
      信じられないけどねぇ・・・」
女たちの席でも騒ぐ中・・・

うぅんっ!!!
  まさに良くも悪くも話題の中心・・そんな娘の親である、
      大上軍(テサングン)ジャムニョは、大きく咳ばらいをした。

そして・・その噂に・・・
    密かににんまり・・口の端を、上げた・・・。

だがすぐに・・
「・・・・・・。」
黙ったまま・・細めた目で、
     去って行った2人の後ろ姿を見送っていたジャムニョ・・

・・・母には分かっていた。

漢陽で見た、身分の差。

2人が消えた後、
  ボジンが地位も身分も名誉まである、キュに慕われているとは
     例え妾であったとしても大出世だと笑う人々・・

今の幸せな2人には関係のないような空気が、
             漢陽に戻ると、ありえないのだ。
ー漢陽に戻ると・・
そう・・
   いずれは漢陽に帰らなければならないパク・キュ。

それを知りつつ、
    母も、どうしていいものか、わからなかった。

ーただ・・・

  ただ・・・・

今の2人を見ていると、
  母の目には、
     自分の気持ちにも気づかなかった幼かった娘が、
         一歩・・前に出ようとしているように見え、それを応援したかった。

今は、キュ一人が悩んでいたあの時の状況でもない・・。
    
 娘もようやく自分の本当の気持ちを知り、
        なんとか素直になれたことで、キュへと、向かい合おうとしているのが見える。

だから、そんな2人を見ていると・・
    幸せになれるんじゃないかと、
           淡い期待をせずにはいられないのだ・・。

常識ではない。
  聞いたことも、ない。

だが・・・
ー不安なんてない。
    
    相手はあのパク・キュだ。

 婚約者がいた時だって・・
    あの子のために全てをやめて投げ出した奴じゃないか。

 何も心配はいらない。
   あそこまで想ってくれる人はいないし、
         あそこまで、真面目な奴もいない・・。

 タムナの男じゃないが・・
        あの子のために残ってくれたんだ。

  信じるしか・・ない。


だが母は、複雑そうに・・
   それでも・・
      一人頷きながら、嬉しそうな顔をすると、

茶碗一杯に注がれた酒を、
       皆が2人の去った門へと視線を送る中、
            ぐいっと一気に、飲みほした。

**********************************:
母の、複雑な気持ちもわかります・・。
  だって、不器用で、タムナで住むには苦しかったボジン・・。

キュに出会って、変わって・・
  母は、キュの一人で悩んでいた想いも知っているし、   
    今ではやりがいのある仕事もキュのお蔭だって・・
      多分母は知ってるよね。

ボジンの不安も、
   恋心も・・たぶん全部、母にはお見通しだろうし・・・

でも下手したら互いに命を落としかけないんでしょ。その恋は・・。

応援って言っても、
  簡単にいえるものではないよね・・・。

拍手をいただけると、ほんとにとび上がって喜びますΣ(ノ∀`*)ペチ

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更新ありがとうございます♪♪

不器用にゆっくり進んでいくパクキュとボジンの恋(>_<)

大切だから、傷つけたくなくて、失いたくなくて、
確かな道を見つけるまでは何も話さないキュ(>_<)

ようやく気付いた自分の気持ちに、
いずれはタムナを離れるキュに、
不安に感じながらも何も聞けないボジン(>_<)

全てを察しながら、あえて口にはせず、
見守るボジンの母とキム吏房。


若い2人は切ないですが、
2人を理解してくれる年長者が優しい気持ちにしてくれます(*^o^*)

のあさんの描くキム吏房、素敵です(^w^)
これからもリメイクを楽しみに待ってます(*^o^*)

キュ様!!ボジンちゃんに触れる率がどんとんたかくなって来ましたね!!愛しい人に触れたい!!そんなキュ様の気持ちがひしひしと伝わって来ます(*^^*)
でも、キュ様と離れて暮らすことになったことを知ったボジンちゃんの動揺、いずれ漢陽に帰ってしまうで不安、ボジンちゃんの胸の痛みが自分の痛みのように感じでしまいました。二人が幸せになりますように。。。
それにしてものあさんの描くキム史房、素敵です☆

切なさに胸打たれました!

そばにいるキュを感じて嬉しいはずなのに、部屋の明かり一つにも不安に思うボジンや、二人の事を心配しつつも、娘の気持ちを理解して、またキュを信じて見守っている母の姿は胸が締め付けられるくらい切なかったです。・(ノД`)・。
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