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 ←★第3話。それぞれの想い →☆短編妄想劇☆『本を読む向こう側』下
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☆成均館スキャンダル★短編『本を読む向こう側』★完結

☆短編妄想劇☆『本を読む向こう側』上

 ←★第3話。それぞれの想い →☆短編妄想劇☆『本を読む向こう側』下
ここは成均館・・・

朝鮮というこの国で
 国の中心を司る王に従うべく、高級官僚となるには必須である科挙の小科試験という
     最初の登竜門を潜り抜けた両班子息たちが、
 寝食を共にし、
   共に勉学に励む、国の最高機関・・の、寮のようなもの・・である。

その中の一室・・・

中ニ房は、特に、異質であった・・・。

シン・・・

  鎮まり返った部屋に、向かい合って座る、二人の整った、青年たち・・。

一人は小柄な女にも負けない、大きな瞳をまっすぐに、本に向けた、青年。
   身は儒生服に包まれていたが、頭につけた網巾(マンゴン)は、古く、ささくれ立ち、
・・良く見ると、
   明らかに向かい合って座る男のそれとは、違って見えた。

それもそのはず・・
   この青年・・向かい合って座る男とは育ってきた境遇の全く違い、
この成均館に見る、
  どんな裕福な両班家庭とも違った、
 同じ両班という地位はあれど、極貧の家・・から出てきた男・・である。

名を、キム・ユンシク、といった。

もう一人は・・
  微動だにしないまっすぐに伸びた姿勢ももちろんのこと・・
本を読む優雅な手つきすら、溜息が出るほど様になっている・・・

この、成均館の中だけでなく、
    その名を知らぬものはいないのではないかというほど、
      勤勉で、文学に精通するだけでなく、武道にも能力が長けている。
誰に媚びることもなく、
  また、誰であっても、変えることなく何事にも己を曲げずに、義を尊ぶ・・という、

この男もまた、この成均館で見る、どんな裕福な両班家庭とも、違っていた。

今の国家を影で牛じていることにもなる、
  左議政家の、長子、
      イ・ソンジュン、その者であったからだ・・。
もう一人・・・
  この中ニ房が特別に浮いている理由の人物もいるの・・・だが・・・

今、この部屋には見当たらないようで・・

紹介は、また・・・
  に、しよう。

ぱらり・・

規則正しくめくられる頁の音が・・
   同時に双方からなった・・。

が、
 一方がふと、目は本にやったまま、
「・・・ん?
ねェ。イ・ソンジュンサンユ
(庠儒:成均館で学ぶ儒生のことですが、ややこしいので他の作品では儒生と表記します)・・

  聞きたいことがあるんだけど・・・」
そう、言った。

・・・・パラリ・・

相変わらず、
  その間隔を空けることなく、めくる音・・・

「イ・ソンジュンサンユ!」

もう一度、
  目をその本へと向けたまま呼んでみたが、
   一向に返事のないことに気づき、初めて・・

「イ・ソンジュン?」
その名を、
   その人物の方へと向かって、呼んだ。
だがなお、
  まるで聞こえていないかのように、ただ、文字を追うその瞳・・

む。

キム・ユンシクの口元が、
   不満そうに、きゅっと閉じられた。

「ねェ!!!
  イ・ソンジュン!!!!!

      イ・ソンジュンってば!!!!!」
当初、その文字の解釈に聞きたいことがあって呼んだことなど、
  すっかりその頭にはすでに消えていた。

今あるのは、
  全くユンシクの存在を、そこに無いかのように、本に耽るソンジュンへの、憤りに似たものである・・。

その証拠に、
  その人物を呼ぶことに気を取られたユンシクの手は、
    今や無意識にその本を脇へとすでに、寄せてしまっていた。

ちらりと、
  そんなユンシクの綺麗で細い手を見たソンジュン・・。

ぱさりー・・・

静かに、
  その本を閉じると・・

ゆっくり顔を上げたソンジュン・・

自分で呼んでおいて何だが・・・
   すでに、半分腰を上げてソンジュンへと手を伸ばしかけていたユンシクが、
急に戸惑ったように、その目を動かした・・。

「よ・・ようやく聞こえたの?
   僕が何回呼べば・・・」
そう・・
  目を逸らして言ったとき・・・

ふわ・・

一瞬にして、影がユンシクを覆い・・
  柔らかな感覚が、口先に触ったと同時に・・

またその影が、
   何事もなかったかのように、離れて座った・・・

「・・・・・!!!!!!!」

真っ赤になって、
   口許を両手で隠したユンシク・・・

完全に、不意打ちだった。

そのため、
  覚悟もできてなかった心臓は、
    発作が起きたかのように、急激に速度を速めた。

「な・・な・・・
   い・・今・・・」

言葉を忘れてしまったかのように、
   口先から声を絞り出したユンシク・・・

「・・・何?」
口先に、
  静かに笑いを含んだソンジュンが、
    涼しげにユンシクを見た。

「な・・何って・・・」

目を大きく開き、
   また、言葉を失ったように、ただソンジュンへと責めるような目つきを向けたユンシク・・

「誰もいないよ。」
しれっと、
   ソンジュンが言った。

「っ・・そうじゃなくって・・・!
   何回呼んでも聞こえなかった癖に
       何・・」
声を荒立てるとすぐ、隣にいるヨリム先輩が寄ってくるだろう・・・。
ソンジュンが
  そっと、ソンジュン自身の口許へと人差し指を当てるのを見て、
      口をつぐんだユンシク・・

「じゃあなんでいきなりそんなことしたの。
  僕の存在すら、忘れていたくせに急に・・なんて・・
        ひどいよ。」
腰を元通り落としたユンシクが、
   ボソボソっと、ソンジュンにしか聞こえないように言うと・・

「先に俺の存在を消したのは貴公の方だろう。」

ソンジュンが、
  またも、何気ない風に、本へと目を落としながら、言った。

「・・・え?」

わけがわからず見上げたユンシクに・・
   どこか、ソンジュンの頬が、ほんのり色付いている気が、した・・。
~~
途中だが・・・
 話の流れから・・何やらただやらぬ雰囲気が流れてきているため、解説を入れよう・・。

そう。この中ニ房が、少し・・いや、かなり異質だという点の、ほかの理由・・・

一つ目は、三人が三人とも、
  成均館の中でも、その名を知らない人物たちであることは言ったが・・

二つ目は、党派という枠に囚われず、この部屋にいる三人が三人とも、
  違う党派の生まれだということである。

規則というものを忠実に守るイ・ソンジュンによって叶ったものでもあるのだが、
 今や王をも掌握しようとする勢いのある、ソンジュン自体の論派である、老論(ノロン)。

東斎(トンジェ)がこの老論の占める寮だとすると、
  この中二房のある西斎(ソジェ)自体は、それ以外の派閥で占められる。
    
中二房には、西斎には他にいない、老論。
 そしてその主導権を老論派にとられたとはいえ、まだまだ力を持つ、少論(ソロン)。
  それから・・キム・ユンシクの論派で、
    今や力を失ったともいえる、南人(ナミン)派が・・

一つの部屋に同居しているのである。

今の世の中がそうであるように、
  老論派、少論派、そして南人派とは、敵対し合っており、
    故に、同じ部屋に生活を共にするなどとは、その例を探そうにも、
        前例すら、ないこと。

これぞまさに、王の目指す、政治の理想でもあったのだが・・
  これが、中二房が特殊である理由の、一つである。

三つ目・・・

それは、

  これは誰も知らないことなのだけど・・

いや、そもそも誰も知っていてはいけないこと、なのだけど・・・

~~
「どういうこと?
   私が先にイ・ソンジュンを無視したって言うの?」

ぼそぼそと話す声は、
   気がつけば女人のように高くなり・・

ソンジュンに向ける大きな瞳すら、
  いつも構えたようなユンシクのそれ、ではなかった。

「そうだよ。」

今度はソンジュンも、本を横へと避けるとユンシク・・いや、今は完全に、
   ユニとなった、その目の前の男装をした、女人を見た。
~~
そう。この、キム・ユンシク・・・
  男として成均館に入り・・勉学も、大射礼も・・
    激しい杖打大会ですら・・男となんら変わりなく、行ってはきたが・・

実は、努力に努力を重ねた、
   男の姿をした・・キム・ユニ、

正式には、キム・ユンシクという名を持つ病弱な弟を持った、
      女人であった。
~~
「私は無視なんてしないわよ!
  本を読んでいたって聞こえるし、

   話していたって、本が読めるもの。」

ユニがそう言ったとき・・

「それが・・
   おもしろくないんだってば。」

ソンジュンが、ふてくされるように、
   ユニから目を逸らした。

「??」

眉間に皺を寄せたユニが、
  口先を尖らせて、ちょこっと頭を斜めに傾げた・・

「そういう仕草も・・」

ユニの考えがまとまる前に・・
    ソンジュンの声が、聞こえてきた。

「そういう目も・・」

見上げたユニの目を、
   細めたソンジュンの目が、捕えた。

ど・・きん!!!

途端に、ユニの心臓が、締め付けられたように、きゅんと苦しくなった・・。

「そういう息ですら・・・」

そこまでソンジュンが言った時・・・

どきん・・・
  どきん・・・

ユニの心臓が、
  何を期待しているのか、ますます早鐘を打ち始めた・・。

「俺は気になって、
   本に集中すら、できないというのに・・・
  君が全くそんなことなど気にせず、
    本だけに目を向けているから・・・」

ぱちぱちと目を上げて、ソンジュンを見ると・・
  ユニから目を逸らしたソンジュン・・。

一瞬、考えていたユニだったが・・

あらぬ不安が胸をよぎり・・

「それって・・
   私が・・ここにいて動くからって・・こと?」

本へと目を向けたソンジュンが、
   少しだけ、その視線を動かした・・。
「つまり・・
  私と一緒じゃ(邪魔になって)勉強できないって・・こと?」       (違うだろ(苦笑))

ユニの表情は、
   明らかにソンジュンの言葉を別の意味でとらえ、
      非難すら、しているような目つきであった・・。

だが・・・
  そんなユニの表情など、俯いているソンジュンに見えるはずもない。

ソンジュンの口から出てきた言葉は・・・
  ユニの言葉をまるで反対にとらえ・・・

「い・・意識だと、
   やましい気持ちなんかじゃないぞ・・

  目の前に人がいたら、目に入って集中できないと言ったんだ。ごほ。

 ようやく慣れてきて、集中するようになった。

 だから・・
   むやみに呼ぶのはやめてくれと・・・さっきのは仕返しだ。」

照れを隠すようにそう言いながら、
    再び本へと手をかけつつ、顔を上げた時・・・

ぷっくりと。

   目の前に、
     頬が膨れたユニが、見えた・・。

・・・あれ?

ソンジュンにとっては、予想外だった。

ユニを意識して本に集中できないことは正直な気持であったが、
   それをユニには伝えた上で、ちょっと照れ隠しを言ってみただけ  (分かりにくいわ!(苦笑))

まさか、ユニが膨れた顔をするなどと、
          思ってもいなかったのだ。

「・・・・・」

茫然と見つめるソンジュンの前で、
   ぷっくりと、完全に拗ねてしまったユニが・・

本へと目を向けたが・・
  また、ぎろりと一瞬ソンジュンへと目を向けると・・

本を抱いて、すっくと立ち上がり・・

「じゃあ僕・・
   言われたとおり、他の部屋で勉強してきます!」

立ち上がったユンシクの腕を慌てて掴んだソンジュン

「ま・・待て。
  ど・・どこへ行って勉強するっていうんだ?」

ソンジュンがそう言うと・・

「さぁ。
   入れてもらえるところで。

一番ヨリム先輩が確実・・かな。」

ソンジュンの目を見ることもなく、
   そう言ったユニが、わざとつんと顎を上げると、
       部屋を出ていこうとした・・

「ま・・待てって・・。
  俺が急に口づけしたのがいけなかった?

  それとも、先に無視したから?」

慌てたソンジュンに、
  内心、ユニがくすっと笑った。

だが、そんな内面など見せぬように、極力怖い顔をすると、

「私がいると、勉強のお邪魔になるみたいだから・・・」
そう言って、
   一歩、脚を出そうとしたとき・・・

!!!!!!

ユニの身体が覆われ、
   口元が、再び何かに包まれた。

***************************************

ユニが女だとばれて、まだ、ソンジュンとの関係は二人に疑われてない頃
(まあとっくの昔にヨンハには、ばれてたんだけど
   まだコロは自分だけがユニの正体に気付いていると思っているくらい)

の、お話かな・・。

番外編なんで、詳しいドラマ内の時期は置いておいてね~~~(笑)

楽しんでいただけたら嬉しいです♪
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